最新記事

米ロ関係

アメリカが新たな対ロ制裁、35人追放と施設閉鎖 大統領選干渉で

2016年12月30日(金)11時17分

12月29日、米国はロシア外交官35人を追放し、国内にあるロシア施設2カ所を閉鎖する。プーチン大統領。27日撮影(2016年 ロイター/Alexei Druzhinin)

 オバマ米大統領は、サイバー攻撃による米大統領選への干渉に対する措置として、スパイ行為が疑われるロシア人35人の国外退去を命じ、2つのロシア情報機関などに対する新たな制裁を発表した。

 オバマ大統領は声明で、「ロシア政府に非公式、公式に警告を繰り返してきた」と指摘。新たな制裁は必要かつ妥当な対応だとした。

 制裁の対象となったのは、ロシア連邦保安局(FSB)とロシア軍の情報機関、参謀本部情報総局(GRU)、GRU幹部4人、GRUのサイバー活動に物質的支援を提供したとされる企業3社。

 オバマ大統領は、米国務省がロシア情報機関員35人を「ペルソナノングラータ(好ましくない人物)」としたとし、また「情報関連の目的」で利用されていたニューヨークとメリーランド州にある2つの施設を閉鎖すると発表した。国務省は当初、35人が外交官だとしていた。

 米高官によると、追放はワシントンのロシア大使館およびサンフランシスコの領事館から行われるとし、追放される人物は72時間以内に米国から退去する必要があるという。30日正午以降、ロシア高官による同施設へのアクセスは禁止される。

 ロシア大使館はコメントを控えた。

 トランプ次期米大統領が、来年1月20日の就任後に制裁措置を撤回するかどうかは現時点では明らかになっていない。

 米国の新たな制裁に対しロシア政府は「しかるべき」報復措置を取ると表明した。同国はサイバー攻撃を否定している。

[ホノルル/ワシントン 29日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:サウジ皇太子擁護のトランプ氏、米の伝統的

ビジネス

午前のドルはドル157円前半でもみ合い、財務相の円

ワールド

対米投資、為替に影響ないよう「うまくやっていく」=

ビジネス

米クリーブランド連銀総裁、「やや制約的な政策を続け
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中