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Jリーグ、そして東京オリンピックで活躍が期待される「スマートスタジアム」とは

2016年9月25日(日)11時45分
マーティン・オッターソン ReadWrite[日本版]編集部

 これらはまだ始まりに過ぎない。World Stadiumsによれば、世界中には12,216ものスタジアムがあり、大都市や市場が開拓される国々でその数を増やしているという。途上国と呼ばれる国においては、水は大変希少なものであり電力網は頼りなく、交通事情はひどい。先進国と呼ばれる国にあるスタジアムについては、建てられたばかりの新築もあれば1920年代に立てられたものもあり、ばらつきが気になるところだ。

 こういった状況で、スタジアムは「IoTが何を成し得るか」を示すショーケースとなるだろう。

Jリーグ主導の「スマートスタジアム」計画は実現するか

 一方、日本でもJリーグを中心としてスマートスタジアム事業に注力しようという動きが出始めている。

 これまでずっと資金繰りに苦しんできたJリーグは、NTTなど大手企業の資金面での助けを借りて今年やっとの想いで大きな一歩を踏み出すことができた。マネタイズに苦しむJリーグをスマートスタジアムは救えるのだろうか。そして、彼らはどうにか出来るのだろうか。これまで述べてきたように、IoTを導入することで得られるメリットはたしかにすごいが、彼らが日本においてやらなければいけないことはIoT導入の先にある。

 また、スマートスタジアムと聞いて浮かぶのは、2020年の東京五輪に向けての動きだろう。Jリーグが現在大宮で試みていることは、2020年には日本らしく細かな気配りの行き届いた(多少行き過ぎの機能も付いているかもしれないが)システムに成長し、大きく変化したスポーツ観戦の新スタイルを世界に発信しているはずだ。

関連記事:サイバー攻撃にさらされる東京オリンピック:時限法も視野に

 スマートスタジアム事業は、うまくシステムを築き上げることができれば、今後その潜在的ニーズや規模感なども含め大きな金のなる木となるだろう。最先端は例にも多く出した米国であるが、私は、日本流のスマートスタジアム事業がいずれ世界に羽ばたくことを期待している。

 

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