最新記事

アップル

バフェット氏アップル株に1100億円投資、低迷するアップル株の回復に期待か

6月中旬のアップル開発者会議を前にアップル株の再浮上を狙う?

2016年5月17日(火)10時53分

5月16日、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは、アップル株を取得したことを明らかにした。カリフォルニア州サンタモニカで4月撮影(2016年 ロイター/LUCY NICHOLSON)

 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは16日、アップル株に約10億ドルを投資したことを明らかにした。最近低迷しているアップル株価の回復を見込む。

 米証券取引委員会(SEC)への提出文書によると、バークシャーは3月末時点でアップル株981万株を保有。これは10億7000万ドルに相当する。

 16日の米株式市場で、アップル株は3.7%高の93.88ドルで取引を終えた。

 SECへの文書によると、バークシャーは第1・四半期に保有していたAT&T全株を売却しており、この資金をアップル株の取得に充てた可能性がある。バークシャーは年末時点で16億ドル相当のAT&T株を保有していた。

 バフェット氏はIBMを除き、ハイテク株への投資には長らく消極的な立場を取ってきており、今回のアップル株取得によって、バークシャーのハイテクセクターへのエクスポージャーが高まった格好だ。

 バフェット氏のアシスタントが米紙ウォールストリート・ジャーナルに語ったところでは、今回のアップル株への投資はバフェット氏のポートフォリオ・マネジャーであるトッド・コームズ氏、テッド・ウェシュラー氏のどちらかによるものという。投資家は、2011年にバークシャーのインテル株取得を主導したコームズ氏が有力とみている。

 アップルの株価は昨年4月に記録した過去最高値を約30%下回っているほか、3月の株価水準も下回っている。4月終盤に発表した第2・四半期(1─3月)決算で13年ぶりの減収となったほか、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売台数が初めて減少したことが株価低迷の背景にある。

 バークシャーが保有するアップル株の価値は3月末時点で10億7000万ドルだったが、16日終値時点では約9億2100万ドルに低下している。

 バークシャー株とアップル株の双方を保有するウォールマン・インベストメント・カウンセルの創業者、スティーブ・ウォールマン氏は、アップル株は「驚くほど割安だ。同社は大量のキャッシュを保有している」と指摘。「アップルは水面下で進めている研究・開発が評価されていない」と語った。

 アップルの広報担当者はコメントの求めに応じていない。

 バフェット氏はまた、米ヤフーのインターネット関連事業売却入札で、住宅ローン会社クイックン・ローンズの創業者ダン・ギルバート氏を含む企業連合を支持する方針を表明している。

[16日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 6
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 7
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 8
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中