最新記事

中国経済

中国の景気減速は国防予算にも影響、2016年は6年ぶりの低い伸びに

過去20年間ほぼ一貫して2桁成長が続いていた軍事費も聖域にはできない景気後退

2016年3月4日(金)15時46分

3月4日、全人代の報道官は、2016年の国防予算は前年比約7─8%増額されると明らかにした。写真は北京で昨年8月撮影(2016年 ロイター/Damir Sagolj)

 中国全国人民代表大会(全人代)の傅瑩報道官は、2016年の国防予算について、前年比約7─8%の伸びになると明らかにした。

 全人代開催をあすに控え、記者会見で語った。

 伸び率は2010年(7.5%増)以来の低水準で、予想を大幅に下回る。

 中国の国防予算は、2010年を除き過去20年間ほぼ一貫して2桁の伸びが続いていた。

 具体額は5日明らかにされる。

 去年の国防予算は前年比10.1%増の8869億元(1353億9000万ドル)だった。

 米国の2016年の国防予算は5730億ドル。

 中国指導部はこれまで、国内総生産(GDP)の急拡大を背景に、軍の近代化を正当化してきた。ただ、去年のGDP伸び率は6.9%と25年ぶり低水準にとどまり、2016年はさらなる鈍化が予想されている。

 軍や外交関係者の間では、国防予算は今年も大幅に増額されると予想されていた。

 傅報道官は、国防予算は防衛上の必要性や経済や歳入の状況に基づくと述べている。

 

[北京 4日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

再送-〔アングル〕日銀、26年4月以降の買入減額ペ

ワールド

ロシア、ウクライナに開戦後最大規模のドローン攻撃

ワールド

米財務長官、ムーディーズの格下げ一蹴 成長への取り

ワールド

バイデン前米大統領、前立腺がんと診断 骨に転移
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我との違い、危険なケースの見分け方とは?
  • 4
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 5
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
  • 6
    刺さった「トゲ」は放置しないで...2年後、女性の足…
  • 7
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 8
    飛行機内の客に「マナーを守れ!」と動画まで撮影し…
  • 9
    MEGUMIが私財を投じて国際イベントを主催した訳...「…
  • 10
    サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサー…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 5
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 6
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 7
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 8
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 9
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 10
    宇宙の「禁断領域」で奇跡的に生き残った「極寒惑星…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中