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シンガポールも英語から米語にシフト

国家繁栄の原動力は英語を公用語にしたことだと語る建国の父リー・クアンユー。その新たな提案とは

2011年10月12日(水)16時45分
パトリック・ウィン

次のステップ 「今や英語よりも米語」と国民に語り掛けるリー Tim Chong-Reuters

 シンガポール建国の父リー・クアンユーは、同国が繁栄した大きな要因は国民が英語を話す社会へと舵を切ったことだと考えている。「英語を選んでいなかったら世界に後れを取っていただろう」と、リーは先週、シンガポール英語研究所の開所式で語った。

 シンガポールの人口は約500万人。中国系、マレー系、インド系に大別できる。65年の独立当時、人口の75%を占めていた中国系はさまざまな中国語方言を使い、14%がマレー系、8%がインド系だった。

 リーをはじめとする指導層は、元宗主国イギリスの言葉である英語をシンガポールの公用語にすると決めた。「中国語を公用語にする案は、25%の非中国語話者が反発するに決まっていたので問題外だった」と、リーは説明する。

 とはいえ、最近ではシンガポールの教育関係者はイギリス式英語よりも米語が優勢であることを認めなければならないと、リーは言う。「アメリカのメディアが主要になるにつれて、シンガポールの国民、教師、学生がアメリカ式の発音を耳にする機会が増えてくる。米語は数の上でも、経済においても支配的な力になるだろう」

GlobalPost.com特約

[2011年9月21日号掲載]

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