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事故

高速鉄道事故で露見した中国の「未熟」

拡張を急ぎすぎて鉄道運行の能力が追いつていなかったことが明らかに

2011年8月31日(水)15時48分
長岡義博(本誌記者)

壊れた夢 威信をかけた高速鉄道は無残な姿を世界にさらした Aly Song-Reuters

 急ピッチで整備が進む中国の高速鉄道網は、中国の経済成長を象徴する存在。しかしあまりに猛スピードで進む発展は、時に大きな矛盾を引き起こす。浙江省で先週末に起きた高速鉄道車両同士の追突・脱線事故は、中国政府の鉄道運行の未熟さをさらけ出してしまった。

 事故は先行車両が停車しているところに、後続車両が追突。計6両が脱線し、後続車両のうち4両が高架橋から落下した。35人が死亡、210人が負傷する大惨事だった。

 前方で停車している車両になぜ後続車両が突っ込んだのか。中国製の自動列車停止装置が作動しなかった原因はまだ明らかになっていないが、鉄道網の拡張を急いだ中国鉄道省に批判が集中するのは避けられない。間の悪いことに今回の事故前には、6月末に開業した北京〜上海間の中国版新幹線で、電気系統の故障などにより停車するトラブルが相次いで発生していた。

07年に上海〜杭州間で初の高速鉄道が運転を始めてからわずか4年。あまりに速い発展に運行側の能力が追い付かなかった──そんな批判をかわしたいなら、中国政府はまず公正な事故調査に乗り出すしかない。

[2011年8月 3日号掲載]

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