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AIの「事業仕分け人」で米政府規則20万件の半分を撤廃...本当に大丈夫?

DOGE AI Tool to Target 100K Federal Rules for Elimination: Report

2025年7月29日(火)18時30分
アマンダ・カストロ

すでにAIツールを利用し始めた省庁も

「DOGE AI規制撤廃判定ツール」は、イーロン・マスクが主導していたDOGEプロジェクトの下、政府に招かれたエンジニアたちによって開発された。

このツールは、およそ20万件にのぼる既存の連邦規則をスキャンし、時代遅れなものや法的要件を満たしていないと判断されるものを自動で抽出するよう設計されている。


ワシントン・ポストが入手した7月1日付のパワーポイント資料によれば、約10万件の規則が削除対象になり得ると推定されている。その大部分はほとんど人の手を介さず、自動的に処理されるという。AIツールの導入により、数兆ドルの法令順守のコストが削減されるほか、外部からの投資が活性化する可能性があるともされている。

例えば、米住宅都市開発省(HUD)では、AIが2週間足らずで1000件以上の規制セクションを審査した。米消費者金融保護局(CFPB)でも「規制撤廃の100%」がAIによって行われたという(なお、ワシントン・ポストはCFPBでのAI利用実績について確認できなかった)。

ホワイトハウスのハリソン・フィールズ報道官は、規制撤廃にAIを用いることについて問われた際、ワシントン・ポストに対し「大統領の規制撤廃目標を達成するためにあらゆる選択肢が検討されている」と述べた。

フィールズ報道官はいかなる計画も最終決定には至っておらず、取り組みはまだ初期段階ホワイトハウス内での継続的な協議が行われているとしている。

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