最新記事
テクノロジー

「フェイクニュースやヘイトからの収益」に変革を...国連事務総長がIT大手に求める

2024年6月25日(火)12時40分
国連のグテレス事務総長

6月24日、国連のグテレス事務総長(写真)は、消費者向けのテクノロジー企業大手は「自社製品が人々と社会にもたらしている被害を認識すべき」だとし、責任ある行動を取るよう求めた。写真は5日、ニューヨークで撮影(2024年 ロイター/David Dee Delgado)

国連のグテレス事務総長は24日、消費者向けのテクノロジー企業大手は「自社製品が人々と社会にもたらしている被害を認識すべき」だとし、責任ある行動を取るよう求めた。

グテレス氏は情報インテグリティー(情報の正確性や一貫性、信頼性など)に関する国連指針を発表する記者会見で発言。名指しを避けながらも、交流サイト(SNS)などを運営する企業を念頭に「あなた方には、世界の人々や社会への被害を軽減する力がある。偽情報や憎悪から利益を得るビジネスモデルを変革する力がある」と述べた。


 

また、「不透明なアルゴリズムは人々を情報バブルに追いやり、人種差別、女性蔑視、あらゆる種類の差別を含む偏見を助長する」と警告。女性、難民、移民、少数派の人々がターゲットにされやすいと述べた。

グテレス氏は、新たな指針は誤報、偽情報、ヘイトスピーチと闘う出発点だと指摘。「一部の利害関係者は特に大きな責任を負っている。彼らへの明確なメッセージは、われわれは行動を求めるということだ」と強調した。

メディアに対しては、編集基準を引き上げて、問題の一部ではなく解決策の一部となる広告主を見つけるよう要請。

また各国政府には、自由で独立した多元的なメディア環境を約束すべきだとしたほか、人権保護の規制を徹底し、インターネットを全面遮断するなど措置を控え、表現の自由を尊重するよう求めた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 世界も「老害」戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月25日号(11月18日発売)は「世界も『老害』戦争」特集。アメリカやヨーロッパでも若者が高齢者の「犠牲」に

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

サウジ、外国人人材の高額給与を抑制 経済改革の注力

ワールド

フィッチ、ウクライナ格付けを「制限的デフォルト」に

ビジネス

SHEINの仏5実店舗オープン延期、パリ店の評価受

ビジネス

VW、投資計画を来年発表へ 厳しい市場環境で
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 6
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中