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「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下になっていた...「脳が壊れた」説に専門家の見解は?

Can Your Attention Span Really ‘Break’? Experts Weigh In

2025年10月26日(日)11時10分
メリッサ・フルール・アフシャー

「集中力が壊れているというわけではありませんが、繰り返し中断されることで、深い満足感や高いパフォーマンスを生むような状態に到達しにくくなります。(...)集中力は環境によって変化しますが、意識的に訓練すれば回復し、フローによって得られる深い充足感も取り戻すことができます」


この「フロー状態」に入るための対策としては、気が散らない空間を確保したり、日記を書いたり、紙の本を読んだり、瞑想するなどのアナログの内省的な活動が推奨されるという。

集中力の疲労を回復する

「厳密には壊れているわけではないのですが、脳は明らかに負担を感じています」

そのように語るのは臨床心理士で「PVD心理学アソシエイツ」創設者のニコール・イッサ博士だ。「集中力が壊れた」と感じる状態の多くは、脳のフィルタリング機能が疲弊した「選択的注意疲労(directed attention fatigue)」によるものだと説明する。

マルチタスクや睡眠不足、情報過多といったストレスはこの疲労を悪化させ、苛立ちや物忘れにつながるという。実際、イッサ博士のクリニックでは、これらの症状をホルモンの異常など別の症状と誤解する患者もいるという。

「たった15分でも気分が改善することがあります」とイッサ博士が述べるように、自然環境が集中力を回復させるという「注意回復理論(Attention Restoration Theory)」が効果的であるという。

「流れる水の映像を見る」「自然の中で過ごす」といった行動が集中力を高め、精神的疲労を和らげるという。

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