NY外為市場=円が上昇、日米当局者の発言で財政懸念緩和
ニューヨーク外為市場では、円が対米ドルで上昇し、7日続落から持ち直した。5月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Karen Brettell
[ニューヨーク 28日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、円が対米ドルで上昇し、7日続落から持ち直した。日本の閣僚やベセント米財務長官の発言を受け、日本の財政・金融政策の拡大に対する懸念が和らいだことが背景。
城内実成長戦略相は、財政規律の必要性を念頭に置きつつ、需要を刺激し労働市場を引き締めることで、日本は長期的な潜在成長率を高めることができると述べた。
モルガン・スタンレーの為替・新興市場戦略責任者、ジェームス・ロード氏は「これが日本国債市場と円の両方に対するセンチメント改善に寄与した」と指摘。「特に外国人投資家は、高市新政権が財政政策に関してもう少し刺激的になる可能性があるとの見方を持っていたと思うが、きょうの発言はその反対の見方に傾いている」と述べた。
また、ベセント氏が27日に片山さつき財務相と会談した際、「健全な金融政策の策定」の重要な役割を強調したことが、円を一段と支援。前出のロード氏は、「市場はこの発言は日銀の利上げを促す可能性があると解釈した」と述べた。
日銀は29―30日に開く金融政策決定会合で金利を据え置くとの見方が大勢となっており、次回利上げの時期についての手がかりを示すかどうかが焦点となる。
円は対ドルで0.44%高の152.18円となった。
欧州中央銀行(ECB)も30日の理事会で金利を据え置くと予想される一方、米連邦準備理事会(FRB)は29日に利下げに動くとみられている。
政府機関閉鎖の影響で公式データが不足する中、米ADPリサーチ・インスティテュートが朝方発表した10月11日までの4週間の民間雇用者数は平均1万4250人増加。これを受け、ドルは上昇したものの、コンファレンス・ボード(CB)が発表した10月の消費者信頼感指数が6カ月ぶりの低水準となったことを受け、下落に転じた。
主要通貨に対するドル指数は0.08%安の98.69。
ユーロは0.14%高の1.1659ドルとなった。
ユーロは対英ポンドでは2023年5月以来の高値を記録。
英ポンドは対ドルでは8月1日以来の安値を付けた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は27日、英予算責任局(OBR)が生産性の伸び率予測を予想以上の0.3%ポイント下方修正する見通しだと報じた。
豪ドルは対米ドルで0.46%高の0.6586米ドルと、10月9日以来の高値を付けた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.17%高の11万4719ドルとなった。
ドル/円 NY終値 152.10/152.12
始値 151.86
高値 152.37
安値 151.86
ユーロ/ドル NY終値 1.1650/1.1653
始値 1.1663
高値 1.1668
安値 1.1626





