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悪夢が「細胞を老化」させる可能性...週1回以上で「早死リスク」にも?【最新研究】

Nightmares Linked to Earlier Death — Study

2025年7月13日(日)10時50分
アンドリュー・スタントン

「おそらく根本にあるのは、トラウマや慢性的ストレス、情動の調整不全でしょう。これらが悪夢と生物学的なダメージの双方を引き起こしていると思われます。悪夢はストレス反応を活性化させ、心拍や呼吸の増加、コルチゾール分泌などを誘発し、睡眠を邪魔します。この慢性的な症状が、脳と身体に持続的な悪影響を与えることはあります」

ペイン教授はさらに次のように述べる。


 

「ストレス反応にとどまらず、悪夢の頻発は不眠、日中の疲労、ひいては睡眠そのものの回避を引き起こすこともあります。とりわけ退役軍人、サバイバーや被害者のような集団では、不安や抑うつ、希死念慮との強い関連性も確認されています。

悪夢が続くと、ストレス感受性がさらに高まり、脳の睡眠に対する反応が変わり、就寝そのものが神経系にとって『恐怖の対象』となってしまいます。『高ストレス』が『断片的な睡眠』をもたらし、『さらに高ストレス』と『コルチゾール分泌』という悪循環に陥る可能性はあります」

オタイク博士による、今回の発表を実証するさらなる研究、そして因果関係の実証が今後待たれる。


【参考文献】
Meesha Patel, Frequent nightmares triple the risk of early death and accelerates ageing, 02 July 2025, Imperial College London

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