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睡眠中に体内は大掃除されている...「寝ているあいだにキレイになる」は本当だった

2025年2月8日(土)09時15分
デイヴ・アスプリー(起業家、投資家、「ブレットプルーフ」創設者)

厳密に言えば、眠っている時間はファスティングしていることになる。朝の食事を「breakfast(朝食)」と言うのは、文字どおり「break-fast(断食を破る)」だからだ。朝食を抜き、起きてから数時間食べない状態を続ければ、自動的に断続的ファスティングが始まっている。

目が覚めてから2、3時間ファスティングを続けると、体はインスリンの分泌を大幅に減らすと同時に、ヒト成長ホルモン(HGH)の分泌を増進させる。これは重要だ。なぜならHGHは細胞修復を助け、脂肪燃焼を促し、除脂肪筋肉量の増加に力を貸すからである。


 

このプロセスの恩恵を最大限にするには、起きてから最初の食事を摂るまで6時間以上待ったほうがいい。一日の食事を食べ終えるべき時間を決めるのにも、睡眠サイクルが役に立つ。

夜遅く、とくに寝る直前に食べると、ベッドに入ってからも体はせっせと消化にいそしんでいる。消化器内の食べ物はサーカディアン・リズム(体内時計)にとって、いまはまだ昼間のはずだというシグナルだ。人間は夜行性ではないのだから!

代謝エネルギーのすべてが消化に注がれるため、眠るのがますます難しくなる。昼間に食べるよりも夜の食事のあとのほうが長時間血中のグルコースとインスリンの濃度が高い状態が続くので、グルコース不耐症、2型糖尿病、高血圧のリスク上昇をもたらす恐れがある。

この何年間か、僕は糖尿病患者用の持続血糖測定器を使って自分の血糖値を測っているが、断続的ファスティングの最中でさえ、遅い時間に食事をすると翌日必ず血糖値が上昇することに気づいた。夜遅い食事は抜こう!


【参考文献】

1. Alex C. Keene and Erik R. Duboue, "The Origins and Evolution of Sleep," Journal of Experimental Biology 221( 2018): jeb159533.
2. Jeremy Rehm, "World's First Animal Was a Pancake-Shaped Prehistoric Ocean Dweller," Nature, September 20, 2018.
3. Carol A. Everson, Bernard M. Bergmann, and Allan Rechtschaff en, "Sleep Deprivation in the Rat: III. Total Sleep Deprivation," Sleep 12, no. 1( February 1989): 13-21.
4. Natalie L. Hauglund, Chiara Pavan, and Maiken Nedergaard, "Cleaning the Sleeping Brain-the Potential Restorative Function of the Glymphatic System,"Current Opinion in Physiology 15 (June 2020): 1-6.
5. "Short Sleep Duration Among US Adults," Centers for Disease Control and Prevention.
6. Ruth E. Patterson and Dorothy D. Sears, "Metabolic Eff ects of Intermittent Fasting," Annual Review of Nutrition 37 (August 2017): 371-93.


デイヴ・アスプリー(Dave Asprey)
起業家、投資家、シリコンバレー保健研究所会長。「ブレットプルーフ」創設者。カリフォルニア大学サンタバーバラ校卒業。ウォートン・スクールでMBAを取得。シリコンバレーのIT業界で成功するも肥満と体調不良に。その体験から医学、生化学、栄養学の専門家と連携して膨大な数の研究を統合し、100万ドルを投じて心身の能力を向上させる方法を研究。バターコーヒー(ブレットプルーフ・コーヒー)を考案し、ダイエットに成功した体験を『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』(ダイヤモンド社)にまとめ、世界的ベストセラーとなる。ニューヨーク・タイムズ、フォーブス、CNNなど数多くのメディアで活躍中。著書に『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』『シリコンバレー式超ライフハック』(ともにダイヤモンド社)など多数。


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