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中高年は、運動しないと「思考力」「ストレス耐性」低下...いつ・どれだけ運動すればいいか

2024年12月28日(土)08時00分
若杉忠弘(グロービス経営大学院教授)

「組織の物品を許可なく持ち帰る」「職場で相手を傷つけることを言う」といった、悪さが少なかったのです。

なぜ、このような結果が出るかと言えば、この研究によると運動をしている人ほど、自分を律することができることを指摘しています。だから、不正な行動に走りにくいのです。

私たちは、運動することで、思考力、感情、行動の乱れを整えることができることがわかりました。

では、いつ運動するといいのでしょうか。

仕事のあとや、休日に運動することを考える方が多いのではないでしょうか。もちろん、それもよいのですが、仕事が始まる前や、仕事の合間に運動することも効果的です。

社会人74人に、運動量や心拍数を測るデバイスを腕に着けてもらい、運動量を調べた研究があります。

それによれば、最大心拍数の50〜70%程度の軽い運動をしたあとは、仕事中の自信が高まり、仕事に集中しやすくなることがわかりました。「運動が楽しい」と思える人であれば、最大心拍数の85〜100%程度の激しい運動をしても、仕事への集中力は高まるという結果も出ています。

運動したほうがむしろ仕事後に疲れにくい

別の研究では、社会人71人に万歩計を着けてもらい、運動量を調査しています。ここからわかったことは、起きてから仕事が終わるまでの運動量が多いほうが、仕事を終えたときの疲れが少なかったのです。

1日中動かないほうが、むしろ疲れを感じてしまうというわけですね。

そして、1日の運動量が多いほうが、仕事が終わったあともリラックスできて、家族と充実した時間を過ごせていたこともわかりました。体を動かしていると、ワーク・ライフ・バランスが改善されるのです。

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