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炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働力を無駄遣いする不思議の国ニッポン

JAPAN’S “WORK WASTE”

2025年11月11日(火)20時57分
レジス・アルノー(ジャーナリスト)

工事現場の警備員など必要性に疑問符が付く仕事も多い STANISLAV KOGIKU/SOPA IMAGESーREUTERS

<日本の驚くべき点は労働時間の長さより、労働力の無駄遣いだ。私はこれを「生産性パラドクス」と呼ぶ>

日本人はもっと働くべきだと、政財界で影響力を持つ人の多くが考えているらしい。

報道によれば高市早苗首相は政権発足早々、残業時間の規制緩和を検討するよう厚生労働大臣に指示した。10月21日、マネックス証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆は世界のフィンテック業界を結ぶ非営利団体GFTNのフォーラムに登壇し、「日本人は働き者とはいえない」とコメントした。


では日本人は怠けているのか。2024年のOECD(経済協力開発機構)の統計を見ると日本人の年間平均労働時間は1617時間で、ベルギーやオーストラリアと同水準だ。日本人は怠け者だと主張する専門家はおらず、日本はむしろ過酷な労働環境で知られている。

厚生労働省によれば、今も男性のおよそ10%が週に60時間以上働く。長年ワークライフバランス政策が推進されてきたにもかかわらず、多くの労働者が今も仕事中心の生活に耐え、過労死もなくならない。

私は日本に住んで30年になるが、日本ほど仕事が個人のアイデンティティーに染み付いた国、家族でさえもが仕事の後回しにされる国はほかに考えられない。

単身赴任のような慣習は、他国の大企業では認められない(あるいはもっと手厚く補償される)。あるアメリカ人の知人は「アメリカ人は転職先で、まずデスクに家族の写真を飾る。日本人ではあり得ない」と語る。

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