最新記事
映画

「入れ替わり系コメディー」は、やっぱり鉄板?...22年ぶり『フォーチュン・クッキー』続編の衰えない魅力

A Freaky Legacy Sequel

2025年9月12日(金)17時28分
デーナ・スティーブンズ(映画評論家)

アンナとエリックは2日後に結婚式を挙げるから、うかうかしてはいられない。4人は占い師を探し出して「呪い」を解いてもらおうと、ロサンゼルスの町を走り回る。

入れ替わりが4人に拡大したことで、オリジナルの整然とした対称性は失われた。誰が誰の体に入っているのか理解するのに、私は優に15分かかった。イギリス人の少女に体を乗っ取られた後もカーティスがアメリカ英語を話すので、特に混乱してしまう。

それでも脚本のジョーダン・ワイスがこの形で4人をシャッフルした理由は分かる。1998年の『ワンダとダイヤと優しい奴ら(A Fish Called Wanda)』以来、体を張ったコミカルな演技はカーティスの十八番だ。若者が体に入らなければ、せっかくの才能が発揮できない。


『ワンダとダイヤと優しい奴ら』予告編


歓声を上げながらスポーツカーで道路を逆走したり変なポーズで自撮りをしたりと、大人になりかけたティーンの解放感をカーティスは存分に表現する。ぴちぴちの14歳が鏡をのぞいてしわくちゃな老婆の顔を見つけたときの恐怖も、実にリアルだ。

難役を演じ切った16歳

レコード店で繰り広げられるドタバタは傑作。店を経営するのは、アンナが高校時代に思いを寄せたジェイクだ(前作のチャド・マイケル・マーレイが再登場)。

母アンナの体に入ったハーパーと見た目が60代のリリーは、とんでもない作戦に出る。ジェイクとアンナをくっつけて、互いの親同士の結婚を阻止しようというのだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

NATO、東部全域で防衛強化 ロシア無人機のポーラ

ワールド

国連総会、2国家共存宣言を採択 米・イスラエルはボ

ワールド

カーク氏射殺事件、容疑者の男を拘束=ユタ州知事

ワールド

イスラエル軍のガザ攻撃激化、40人死亡 避難命令も
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 2
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 6
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 7
    「AIで十分」事務職が減少...日本企業に人材採用抑制…
  • 8
    毎朝10回スクワットで恋も人生も変わる――和田秀樹流…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 7
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 8
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 9
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 10
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 4
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中