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人種問題に切り込んできたスパイク・リー監督が語る「アメリカ社会の現在地」...作品には「今も力がある」

Lights, Camera, Civil Rights Action

2024年11月30日(土)11時27分
デビン・ロバートソン

水晶玉か何かで未来が見えていたみたいだろう? 友達に「黒人版ノストラダムス」と呼ばれることがあるくらいだ。「さあ、黒人ノストラダムスの出番だ。ちょっと予測してくれよ。どうなるか教えてくれ」ってね。

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2019年に『ドゥ・ザ・ライト・シング』の30周年を祝うリー(中央) JOHNNY NUNEZーWIREIMAGE/GETTY IMAGES


──来年はマルコムXの生誕100周年で、あなたの映画の公開33周年でもある。

そうだった。あれは(主演が)デンゼル・ワシントンだったからこそ、すごい作品に仕上がった。永遠に語り継がれる名演技だ。製作ではいろいろな問題に直面したけど、いわばアッラーの思し召しで完成させることができた。

とにかく辛酸をなめた。脚本やスタッフなど、30から40もの変更があった。死ぬんじゃないかと思ったが、どうにか完成にこぎ着けた。

──マイケル・ジョーダン、オプラ・ウィンフリー、プリンスらが『マルコムX』の製作を支援した。資金調達をめぐるストーリーは、黒人コミュニティーの伝説だ。

ワーナー・ブラザースは3時間という上映時間に難色を示した。私の頭に銃を突き付けるようにして、「カットしろ。さもないと完成保証会社に映画を渡すぞ」と脅した。

そして自腹で100万ドルをつぎ込んだ映画を本当に私から奪い、(撮影中の映画を製作会社から引き取り完成させるか、お蔵入りにする権限を持つ)完成保証会社に渡した。

製作チームは全員解雇され、私は身動きが取れなくなった。

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