最新記事
米社会

「見られる価値のない体なんてない」 車椅子に乗った障がい者女性が下着モデルに...批判にも大反論

Candace Owens Bemoans Wheelchair User in Underwear Ad: 'Ridiculous'

2023年3月26日(日)13時00分
シャノン・パワー
車椅子

vadimguzhva-iStock

<「行き過ぎたインクルーシブ」「馬鹿げている」と批判の標的にされた女性モデルは、論客を「危険人物」と称して反論>

アメリカの保守系評論家が、「インクルーシブ(多様性を認め、すべての人を受け入れて協力する)」問題について、「行き過ぎ」「馬鹿げている」と批判した。この評論家が標的にしたのは、体が不自由で車椅子に乗るモデルを広告に起用した下着ブランドだった。これに対し、「口撃」を受けたファッションモデルは、評論家を「危険人物」だと非難した。

■【写真】車椅子に乗った下着モデルの写真...「馬鹿げている」ように見える?

保守派の人々に高い人気を誇る評論家のキャンディス・オーウェンズは、車椅子に乗るモデルを起用することは「行き過ぎたインクルーシブ」であり、「馬鹿げたこと」だと発言。これを受けて、障がい者の権利を擁護する人々をはじめ幅広いコミュニティーから批判の声が上がっている。

彼女がこの発言を行ったのは、保守系サイト「デイリー・ワイヤー」のポッドキャストの中だった。同番組は、140万人以上が視聴登録を行っているオーウェンズのYouTubeチャンネルでも放送されている。

この番組の最新の放送回の終盤、オーウェンズが「標的」にしたのは、キム・カーダシアンが手掛ける補正下着ブランド「SKIMS(スキムス)」が11カ月前に発表した、アダプティブ商品(すべての人が快適に着用し楽しむことができるデザイン)の広告用写真だ。体が不自由な人でも使いやすいようにデザインされている。

SKIMSのこの商品ラインは2022年5月にリリースされた。超軽量のマイクロボンド技術を使って作られているため、ベルクロ(マジックテープ)や大きなファスナーなどを使用した一般的な補正下着とは異なり、ラインや縫い目がアウターに響きにくい。

「インクルーシブにはうんざり」にモデルが反論

オーウェンズはこの広告用写真に車椅子のモデルが起用されていることについて、「このインクルーシブの問題を一体どこまで取り入れなければならないのか、理解できない。アメリカのこの状況は馬鹿げている」と述べ、さらにこう続けた。「本当に理解できない。私が間違っているなら、教えて欲しい」

彼女はさらにこう言った。「どうしてこんなことをしなければならないんだろう。このインクルーシブの問題に、本当にうんざりしている。馬鹿げている」。そして、最初に車椅子のモデルの画像を見た時に感じたことを、オーウェンズはこう表現した。「いったい誰のアイデアだったの? これを考えた人はクビよ」

これに対し、SKIMSの広告キャンペーンに起用された車椅子モデルのヘイリー・ローザは、TikTok上でオーウェンズのコメントを厳しく非難した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、大型減税法案可決をアピール アイオワ州

ワールド

IMF、スリランカ向け金融支援の4回目審査を承認

ビジネス

ドイツ銀、グローバル投資銀行部門で助言担当幹部の役

ビジネス

ドイツ自動車対米輸出、4・5両月とも減少 トランプ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 6
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索…
  • 7
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 8
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 9
    吉野家がぶちあげた「ラーメンで世界一」は茨の道だ…
  • 10
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギ…
  • 5
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 6
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 10
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 7
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 10
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中