最新記事

ファッション

ブラピ着用でも話題に──男性向けスカートはこんなにラクで素晴らしい!

Enough With Pants!

2022年9月29日(木)18時21分
ドリー・シェブレン
スカート姿のブラピ

ピットはスカート姿で新作映画のプレミアに登場した TRISTAR MEDIAーWIREIMAGE/GETTY IMAGES (PITT), OLYA FEDOROVA/ISTOCK

<毎年のように変化するパンツのトレンドを追い続けるより、女も男もスカートを選んでゆったりした気分で生きよう>

ファッションは、終わりの見えない重労働のようなもの。いくら買っても、いくらトレンドを追っても、ゴールというものがない。新しいトレンドを売り込みたくて、業界がそれまでのトレンドを古くさいと思わせようとするからだ。

近頃は、目立たないジーンズについても熱い議論が展開されている。コロナ禍が始まった頃、ジーンズは堅いから姿を消すだろうと言われた。家にいることが多くなり、柔らかいコットンパンツなどをはく人が増えたためだ。

けれども最近のファッション誌を見ると、業界はジーンズの新しい流行をつくりたがっているらしい。ヴォーグはストレートを盛んに勧め、エルはゆったりめのワイドレッグを懸命に推している。業界のメッセージは常に「買え! 買え! 買え!」だ。

トレンドを追い掛ける話ばかりでは疲れるので、この辺でささやかな提案をしてみたい。「もっとスカートをはこう」ということだ。

スカートの歴史は古く、実はパンツよりも古い。西洋においてスカートは、性差別の長い歴史を負っている。女性はパンツの着用を禁じられ、男性はスカートをはくと嘲笑された。

だが「男らしさ」「女らしさ」の文化的定義(さらにはジェンダーの二元論)が変化するにつれ、ファッション界は男性向けスカートのルネサンスを許容するようになった。

パンツほど流行のサイクルは激しくない

今やスカートは、若い世代の間で人気上昇中。ブラッド・ピットやオスカー・アイザックといった人気俳優も、スカートをはいてレッドカーペットを歩いた。スカートをはくことが義務ではなく選択なら、その解放感は素晴らしい。脚に風が当たったり、両脚が触れ合うのを感じるのは、なんという喜びだろう。

スカートも流行のサイクルと完全に無縁なわけではない。ただし、その振れ幅はさほど目まぐるしくないようだ。

例えばタータンチェックのスカートがその地位を確立したのは、17世紀のスコットランド。そのスカートはジャンポール・ゴルチエの1980年代のランウェイや、グウェン・ステファニーの2000年代のコンサートにお目見えした。私が最近はいているタータンチェックも、70年代に母がはいていたものだ。

シンプルなデニムスカートも、ジーンズに比べれば細かなトレンドは変わらない。裾丈が上下し、スタイルはAラインとストレートカットの間で揺れ動くが、少なくとも数年間は手持ちのものを安心してはけそうだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

鉱物資源協定、ウクライナは米支援に国富削るとメドベ

ワールド

米、中国に関税交渉を打診 国営メディア報道

ワールド

英4月製造業PMI改定値は45.4、米関税懸念で輸

ビジネス

日銀、政策金利を現状維持:識者はこうみる
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中