最新記事
トランプ関税

日本への「相互関税」24%、EU超えに政府困惑...「日本側の意向がうまく伝わっていない」

2025年4月3日(木)14時45分

対話姿勢崩さず

とはいえ、報復関税の応酬は「双方の利益にならない」(複数の経産省幹部)との声が、政府内ではなお根強い。

国際ルール上は、重大な損害を救済する緊急関税制度(セーフガード)に基づき対抗する選択肢もある。ただ、今のところ日本政府は世界貿易機関(WTO)への申告を行っていない。


 

措置が先行した鉄鋼・アルミでは5月中旬までに申告期限を迎えるが、当面の間は「粘り強く対話を続けるしかない」(経産省幹部)との声が残る。

相互関税の公表に先立ち、対応策を協議した自民党の「日米関係の深化に関する総合戦略本部」では、出席者から「今回の措置が中期的にみて米国の利益にならないことを伝えていくべき」との声が上がった。

政府内では「急いで新たな交渉カードを切れば朝貢外交となる」(前出の経済官庁幹部)と警戒する声もある。数カ月もすれば米経済が痛み「関税措置が撤回されることもあり得る」と別の関係者は言う。

国内対応も課題

自動車関連への追加措置では、自動車部品への関税も段階的に課されることが想定され、与党からは「日本経済の大きな危機になる」(小野寺五典政調会長)との声が聞かれる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRB金利据え置き、将来の利下げペースの鈍化示唆

ビジネス

日鉄によるUSスチールの買収完了、米政府が黄金株保

ワールド

イラン、トランプ氏の降伏要求に反発 中東紛争の出口

ワールド

日産2車種「追加調査の必要性なし」 米NHTSA、
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未…
  • 6
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 7
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 8
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 9
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 10
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中