最新記事
不動産

「標準的な高級住宅」1.7億円...好況アメリカで買い控え、住宅価格だけじゃない理由

THE PRICE OF LUXURY

2024年8月30日(金)19時55分
ジュリア・カーボナロ(本誌記者)
フロリダ州の高級住宅

フロリダ州の高級住宅 Felix Mizioznikov-shutterstock

<高級でない住宅の価格は3.8%増、高級住宅の価格は8.8%増。しかも、住宅ローンの金利が......高い>

アメリカで高級住宅の販売価格が急上昇している。今年の第2四半期だけでも昨年同期比で8.8%上昇し、史上最高値を更新した(不動産仲介大手のレッドフィン社調べ)。そのためフロリダ州などでは買い控えが起きているという。

今年4~6月に販売された標準的な高級住宅の価格は記録破りの118万ドル(約1.7億円)だった。一方、同時期に非高級住宅の販売価格(中央値)は3.8%の上昇にとどまったが、それでも34万2500ドル(約5000万円)という記録的水準に達した(なおレッドフィン社は「高級住宅」を、当該地域における住宅販売価格の上位5%に入る物件と定義している)。


どちらにせよ、住宅購入希望者にとっては冬の季節。住宅ローン金利は7%前後で推移しており、住宅価格が下がる見込みはない。しかも、高級住宅の価格上昇ペースは非高級住宅の2倍以上だ。

これだけ値段が高く、住宅ローンの金利も高止まりしている現状では、買い控えが起きるのも無理はない。

例えばフロリダ州のウェストパームビーチでは、今年第2四半期に住宅価格が5.26%上昇したが、販売戸数は5.5%も減った(ちなみに同時期に同市で売れた住宅の最高価格は5130万ドル〔約74.5億円〕で全米トップだったという)。

「2年前には飛ぶように売れていた高級住宅が、今は成約までに30~45日もかかる」と語るのは、フロリダ州でレッドフィンの代理店を経営するフアン・カストロ。「高級住宅に住み替えたくても、住宅ローンの金利が7%では誰も手が出ない」

ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本の小説36
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月16日/23日号(9月9日発売)は「世界が尊敬する日本の小説36」特集。優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トルコ裁判所、最大野党党首巡る判断見送り 10月に

ワールド

中国は戦時文書を「歪曲」、台湾に圧力と米国在台湾協

ビジネス

エヌビディアが独禁法違反、中国当局が指摘 調査継続

ビジネス

無秩序な価格競争抑制し旧式設備の秩序ある撤廃を、習
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 3
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 4
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    【動画あり】火星に古代生命が存在していた!? NAS…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中