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半導体大手のインテルが「脱アジア」を決めた理由

2021年3月29日(月)18時15分
カレン・パラディ
インテル

コロナ禍で半導体の供給が滞る事態になり、インテルは起死回生策を打ち出した ALY SONG-REUTERS

<半導体業界に激震。インテルがアメリカに工場を新設するのは利益の追求だけが目的ではない>

昨年、生産遅延により株価が急落した米半導体大手のインテルが起死回生策を打ち出した。

2月にCEOに就任したパット・ゲルシンガーは3月23日、これまで世界の半導体供給の8割が集中していたアジアからの「離脱」を表明。

200億ドルを投じて米アリゾナ州に2工場を新設するなど、リスクを分散させる計画だ。

最大の理由は、コロナ禍によって一極集中の脆弱さが露呈したこと。半導体の供給が滞ったことで、自動車業界は減産を余儀なくされている。

さらに台湾は中国、韓国は北朝鮮という脅威を身近に抱えており、そうしたリスクも考慮された。

ただし、利益の追求だけが拠点分散の目的ではない。

「遠隔医療、リモートワーク、教育、自動運転車などあらゆる面でデジタル化が進んでいる」と、ゲルシンガーはBBCのインタビューで語った。

「よりバランスの取れたサプライチェーンが必要になる。わが社はそのために行動を起こしたい」

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