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支持率1%からの下克上...無名だったマムダニが「クオモ王朝」を倒し、NY新市長となれた理由
LEV RADINーZUMAーREUTERS
<マムダニとトランプの政治スタンスは正反対だが、成り上がった姿はトランプに重なる>
アメリカで最も重要な都市ニューヨークの市長選で歴史的勝利を収めたゾーラン・マムダニは、米政治の新たな時代を切り開いたのかもしれない。
ウガンダで生まれて7年前にアメリカの市民権を取得した34歳の無名の州下院議員が、政界名家の2世であるアンドルー・クオモ前ニューヨーク州知事を倒して市政史上最年少の市長となった。その姿は、エスタブリッシュメントを打ち倒したドナルド・トランプ米大統領に不気味なほど重なる。
選挙戦当初、マムダニの支持率は1%未満だった。しかし、選挙運動が盛り上がる過程で文化的なアイコンとなり、バラク・オバマの電撃的な台頭と比較されるようになった。
大きな勝因は、ソーシャルメディアの新しい潮流を自在に操る力と、組織化されたボランティア軍団と言える。ただし、その両面で他を圧倒できた理由は、有権者を物語の中心に据え、旧来の政治家が有権者の知性を軽んじることへの不満を的確に言語化できるところにある。
候補者討論会で、地元ニューヨークの野球とバスケットボールのプロチームが同じ日に優勝決定戦を迎えたとしたらどちらの応援に行くかと聞かれて、クオモは「半分ずつ」と答えた。マムダニはすかさず、どちらかを選ばない政治家に有権者はうんざりしていると返した。
マムダニの当選後、大統領執務室でトランプが彼を仰ぎ見るかのようなミームがネットで拡散された。勝者は勝者を知っている。2025年の米政治でマムダニほど劇的な勝利を収めた者はいなかった。
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