コラム

政治家にうんざりなら、ランダムに選んだ市民に政治をやらせればいい/Institute(設ける)

2018年06月28日(木)17時58分

www.ted.comより

【今週のTED Talk動画】
What if we replaced politicians with randomly selected people?
https://www.ted.com/talks/brett_hennig_what_if_we_replaced...

登壇者:ブレット・ヘニング

最近、さまざまな国で市民たちが政治家にうんざりしている。キャリアの政治家ではなく、無作為に選ばれた人のほうがもっと上手に政府を運営できるのではないかとさえ感じてしまう。

このTEDトークでは、ちょうどそんなコンセプトが紹介されている――人をランダムに選んで、議員にするというものだ。

TEDトークはどれも、新鮮なアイデアを世間に紹介することを目的としているが、このトークはその特徴が強いと言えるだろう。しかし、これは完全にクレージーな話ではない。

スピーカーである作家・活動家のブレット・ヘニング氏によると、このコンセプトにはちゃんと名前(sortition)が付けられており、もともと古代ギリシアで実施されていたものだ。現在も、複数の場所で実際に試みられたり検討されたりしているという。

政治を根本的に変えるという話は夢のように感じるかもしれないが、このTEDトークを通じて現在とは全く異なる政治の可能性について考えることができる。

キーフレーズ解説

Institute
設ける
(動画7:00より)

名詞であるinstitutionは機関や制度という意味を示します。それに関連するinstituteという動詞は、何かを機関や制度として正式に設けることを意味します。このTEDトークでヘニング氏は、instituteという言葉を2回使っています。両方とも、彼が提唱する議員選択システムを実際に導入するという意味で使われています。

ここでいくつかこの表現を用いた例を紹介します:

●The Nepalese government instituted a rule requiring all Everest climbers to bring trash down from the mountain.
(ネパール政府はエベレスト登山をする全ての人が山を降りるときにゴミを持って下りなければならないというルールを設けた)

●The company instituted a business casual dress code.
(その会社はビジネスカジュアルのドレスコードを導入した)

●The high school instituted a ban on cellphone usage on school grounds.
(その高校は学校内での携帯電話の利用を禁止した)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米CPI、4月は前年比3.4%上昇に鈍化 利下げ期

ビジネス

米小売売上高4月は前月比横ばい、ガソリン高騰で他支

ワールド

スロバキア首相銃撃され「生命の危機」、犯人拘束 動

ビジネス

米金利、現行水準に「もう少し長く」維持する必要=ミ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 3

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 4

    それでもインドは中国に勝てない...国内企業の投資意…

  • 5

    マーク・ザッカーバーグ氏インタビュー「なぜAIを無…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    奇跡の成長に取り残された、韓国「貧困高齢者」の苦悩

  • 8

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story