プレスリリース

埼玉県内4市と域内の民間事業者43社47事業所が市域を超えて連携し実践した"従業員のエコアクションチャレンジ"の実証実験が成果をあげる

2025年01月17日(金)13時00分
所沢市、飯能市、狭山市、日高市、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)および東日本電信電話株式会社 埼玉西支店(以下 NTT東日本)は、2024年8月22日に「所沢市・飯能市・狭山市・日高市の行政区域内民間事業者に対する脱炭素行動促進に係る実証実施協定」を締結し※1、10月1日から21日にかけ、環境意識向上・行動変容を促進するアプリケーション「Green Program(R) for Employee※2」を活用し、行政区域内の民間事業者(以下 民間事業者)とその従業員に対する脱炭素行動を促進する実証(以下 本実証)を実施しました。
本実証には市域を超えた全43社47事業所の約395名が21日間参加し、約5.9トンのCO2削減を達成したことに加え、参加した従業員の約6割の環境意識が向上し、環境に配慮した行動が増加したことを実証しました。

1.背景
2050年までにCO2の排出量実質ゼロをめざす「ゼロカーボンシティ」を表明する所沢市・飯能市・狭山市・日高市は、住民の脱炭素行動促進に取り組むため、NTT ComおよびNTT東日本と連携し本実証を行いました。
従来、自治体における脱炭素行動促進の施策は、住民個々人の単位で参加していただくものが一般的でしたが、本実証は企業単位での参加とし、その従業員にアプリケーションを活用してもらうことで、住民としての従業員一人ひとりが環境問題を「自分ごと」として考える機会を創出するとともに、脱炭素化への貢献をめざしました。これにより、企業努力としての「脱炭素運動促進」や「従業員の環境意識啓発」も達成する新しい脱炭素運動の形を実現しました。

2 .本実証の概要
参加民間事業者へ環境意識向上・行動変容を促進するアプリケーション「Green Program(R) for Employee」を提供し、従業員が日々の生活で利用することにより、脱炭素行動の促進と可視化を行い、データによる脱炭素行動傾向の把握とその有効性を検証しました。
(1)実証期間2024年10月1日(火)~2024年10月21日(月)
(2)実証参加企業数43社47事業所 (詳細は別紙1参照)

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/423352/img_423352_1.png


3.本実証の結果と考察
(1)実証結果サマリー(詳細は別紙2参照)
【1】全体取り組み人数:395人(アプリ登録完了者)
【2】エコアクション※3回数:20,015回(実施者数244人)
【3】CO2削減量:5,876.3kg-CO2eq※4(杉の木約668本分の年間CO2吸収量に相当)
【4】参加者へのアンケート結果(抜粋)
環境への知識・関心が高まった・やや高まった:56%
環境に対し優しい行動に取り組むようになった・やや取り組むようになった:57%

(2)実証結果から得た考察
【1】「企業」単位の参加による「従業員」への行動変容を促す新しい脱炭素運動の有用性
本実証は幅広い年代の方が参加し、2万回超のエコアクションが実施された結果、参加者の約6割に環境意識向上・行動変容が認められる結果となりました。企業担当者向けアンケートでは、参加目的の上位に「従業員への環境教育・啓発(85%)」「地域への環境面での貢献(67%)」が挙げられ、企業として環境対策の必要性を感じていることが確認できました。

【2】今後の参加企業や参加者拡大に向け必要とされるアクション
本実証を継続するために必要な要素として、企業担当者の約7割と参加者の4割が「数値の推移で成長や貢献を実感できること」を重要視しており、「会社で一丸となって目標に取り組む一体感」についても企業担当者と参加者の約4割が重要であると回答しました。企業の取り組みを可視化し、企業とその従業員が一体感をもって参加ができる仕掛けが提供されることで、より多くの参加企業や参加者の拡大が期待できることが分かりました。

【3】エコアクションに対する分析
取り組み数の多かったエコアクションは、「食事の食べ残しによる廃棄物を出さない」、「エレベーターの代わりに階段を利用」、「分別廃棄」、「マイバッグ利用」、など手軽に取り組めるものが上位に上がり、全体の4割強を占めましたが、CO2削減量は全体の1割に満たない事が確認できました。CO2の総削減量が多いエコアクションは、「10km以上の移動を電車利用」、「洗濯物を自然乾燥」、「5km以内の移動を徒歩や自転車」等であり、これらの合計実施回数は全体の1割程度でしたが、CO2削減量では全体の5割を占める結果となりました。
行動変容を促すため従業員が手軽に取り組みやすいエコアクションを日々推進すると同時に、1エコアクション当たりのCO2削減量の多い活動についても、家庭生活の中で意識して実施してもらうような働きかけが削減量拡大に有効と考えられます。

4.実証の成果(今後の展望)
所沢市、飯能市、狭山市、日高市とNTT ComおよびNTT東日本は、本実証の実績を踏まえ民間事業者に対する脱炭素行動促進の有効性を検証するとともに、本実証で得られた脱炭素行動に関する記録データを、産業部門等の更なるCO2排出削減に向けた取り組みに活かすことを検討します。また、NTT ComおよびNTT東日本は、同様の課題を抱える他の地域への脱炭素行動の促進もめざしていきます。

※1:報道発表
https://www.ntt-east.co.jp/saitama/news/detail/pdf/hp20240822.pdf
※2:「Green Program(R) for Employee」はNTT Comの登録商標です。
※3:エコアクションとはCO2排出の削減につながる行動をさし、本実証および「Green Program(R) for Employee」では、環境省が提唱する「ゼロカーボンアクション30※5」を中心に日々の生活や業務の中で取り組みやすいアクションを取り入れています。
※4:CO2eq(二酸化炭素換算:Carbon Dioxide Equivalent)は温室効果ガス排出量を比較するための世界的に認められた標準的な尺度です。
※5:ゼロカーボンアクション30とは、環境省が主催し、2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにするための具体的な脱炭素行動を促進する取り組みです。



(別紙1)
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/423352/img_423352_7.png

(別紙2)本実証のアンケート結果について【1】
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/423352/img_423352_2.png

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/423352/img_423352_3.png


(別紙2)本実証のアンケート結果について【2】
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/423352/img_423352_4.png
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/423352/img_423352_5.png

画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/423352/img_423352_6.png




詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米「夏のブラックフライデー」、オンライン売上高が3

ワールド

オーストラリア、いかなる紛争にも事前に軍派遣の約束

ワールド

イラン外相、IAEAとの協力に前向き 査察には慎重

ワールド

金総書記がロシア外相と会談、ウクライナ紛争巡り全面
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 3
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打って出たときの顛末
  • 4
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 5
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    主人公の女性サムライをKōki,が熱演!ハリウッド映画…
  • 8
    【クイズ】未踏峰(誰も登ったことがない山)の中で…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 7
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中