コラム

「スーダン内乱の長期化でコーラなど炭酸飲料が値上がりする」は本当か

2023年05月11日(木)17時40分

スーダンの場合、アラビアゴム取引は独立以来、国営企業GACが独占していたが、2009年に民間企業の参入が認められた。これは「規制緩和の一環」として先進国では概ね好意的に受け止められたが、結果的には有力者が個別にアラビアゴムの不透明な取引に参入するきっかけにもなった。

それはブルハン将軍ら軍事政権の幹部だけでなく、内乱のもう一方の当事者であるRSFのダグロ司令官についても同じことだ。

2020年、アラビアゴム産業の支援にいくつかの国内企業が資金を投入したが、そのなかにはスーダン最大の鉱山企業アルグネイドが提供した1億ドルも含まれていた。アルグネイドはダグロの兄弟が経営する。

つまり、金鉱山の経営を握るダグロはスーダン屈指の富豪でもあるが、これをきっかけにアラビアゴム取引の取引にも参入したといえる。

以前からあったこうした不透明な関係は、内乱による混乱でかえって加速するとみた方がよいだろう。

先進国では戦闘が経済停滞をもたらすという認識が一般的だ。アフリカでも経済活動が紛争によって影響を受けることは否定できないが、取引が常にマイナスになるとは限らない。

この観測が正しいかは、半年後にスーダン情勢が沈静化しなかった場合、コーラが大幅に値上がりするかが一つの判断基準になるだろう。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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プロフィール

六辻彰二

筆者は、国際政治学者。博士(国際関係)。1972年大阪府出身。アフリカを中心にグローバルな政治現象を幅広く研究。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学、日本大学などで教鞭をとる。著書に『イスラム 敵の論理 味方の理由』(さくら舎)、『世界の独裁者 現代最凶の20人』(幻冬舎)、『21世紀の中東・アフリカ世界』(芦書房)、共著に『グローバリゼーションの危機管理論』(芦書房)、『地球型社会の危機』(芦書房)、『国家のゆくえ』(芦書房)など。新著『日本の「水」が危ない』も近日発売

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