コラム

脆弱なダイヤルアップ回線からの投稿が話題に...インドの青年が、英諜報機関の頂点に立つまで

2025年12月05日(金)16時54分

10年の勤務を経てMI6を去った

MI6は、衛星を操作し、陸に上がる前の海底ケーブルを盗聴し、「クラウド」という言葉が流行語になるずっと前に6大陸のプロバイダを掌握していた。

ロシアの石油掘削施設や中国のサプライチェーン、北朝鮮の通信事業者のふりをして、重要なインテリジェンスを獲得したこともあった。

10年の勤務を経て、筆者は握手をして円満にMI6を去った。公に語ることが許されない多数の情報を知見に変え、強靭なマインドセット(ものの考え方)を学んだ。

今日、筆者は政府やフォーチュン500企業にサイバーセキュリティなどのアドバイスを与え、1999年の私とそっくりな若者たちを指導している。落ち着きがなく、世界は壊れていると確信し、ラップトップと過剰なほどの反骨精神以外には何も持っていない若者たちだ。

私は彼らに毎回同じことを伝えている。これからも、ツールは変化していくだろう。量子鍵配送、ポリモーフィックAIマルウェア、ニューロモルフィック・インプラント──そんなものは重要ではない。ゲームの本質は変わらないからだ。誰もが可能だと信じている以上の場所に到達すること。相手が決して気づかないほど深く潜入すること。顔を殴られるたびにそこから学ぶこと。そして、敵自身が理解するよりも先に、敵の「意図」を理解することだ。

プロフィール

クマル・リテシュ

Kumar Ritesh イギリスのMI6(秘密情報部)で、サイバーインテリジェンスと対テロ部門の責任者として、サイバー戦の最前線で勤務。IBM研究所やコンサル会社PwCを経て、世界最大の鉱業会社BHPのサイバーセキュリティ最高責任者(CISO)を歴任。現在は、シンガポールに拠点を置くサイバーセキュリティ会社CYFIRMA(サイファーマ)の創設者兼CEOで、日本(東京都千代田区)、APAC(アジア太平洋)、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、アメリカでビジネスを展開している。公共部門と民間部門の両方で深いサイバーセキュリティの専門知識をもち、日本のサイバーセキュリティ環境の強化を目標のひとつに掲げている。
twitter.com/riteshcyber

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