コラム

キャサリン妃、化学療法終了も「まだ完全復帰はない」と皇太子妃の伝記作家 「家族第一の謎めいた人」

2024年09月11日(水)19時10分

本当に若い世代、つまり40代以下、30代以下、20代の人たちを対象にしなければならない。その世代には王室とのつながりの欠如という問題がある。チャールズ国王は故エリザベス女王の時代よりも小さな王室のビジョンを持っている。

新しい君主制とは何なのか。北欧の王室風になるのか、違うスタイルになるのか、オランダのようになるのか、分からないが、同じ方向性ではないようだ。ウィリアム皇太子とケイトが英連邦ツアーを行った時、植民地の支配者として見られていると感じた。

彼らは自分たちの立ち位置を確認しなければならない。一般家庭出身のケイトはウィリアム皇太子に助言する重要な役割を果たすと思う。より批判的な方法で助言する人たちを加える必要がある。王族の周りには常にイエスと言う人がいるが、それが常に正しい答えとは限らない。

──9日に公開したビデオメッセージをどう見ましたか。

彼らはメディアとの関係を完全にコントロールしたい。それは彼女の健康状態に基づいて今後も続くだろう。彼らはそこに独立したジャーナリストを置くことはできないと言うだろう。契約カメラマンを同席させ、何が起こったかを伝える。2人はそれが良いという意向だ。

──英国の大衆紙(タブロイド)が大人しくしているのはどうしてですか。

彼らはたぶん知らないし、望む情報を持っていないのだろう。報道するのであれば正しい情報を得なければならない。ブラックアウトの状態(2人からの直接の情報発信以外は報道がない)はタブロイドが本当に知らないということを意味している。

編集者全員が同意して署名した自主規制のカテゴリーがある。医療と健康もその一つだ。

ダイアナ元妃は全く違う時代だった。元妃はあまりにも若く、露出しすぎた。王室は彼女をサポートするためにほとんど何もしなかった。25年以上前のことで、かなり違う風景だった。独立報道基準機構(旧報道苦情処理委員会)のあり方と変化、編集者の自主規制は妥当だと思う。

しかし商業的なビジネスという観点からは注意しなければならない。25年前、30年前、タブロイドは西部開拓時代のような雰囲気で、やりたい放題だった。規制があるのは当然だと思う。ただ一つ言えるのは、記者がネタをもっていれば最終的には新聞に載るということだ。

ケイトの言うことにタブロイドも耳を傾けることを強く意識した。彼女は家族を最優先させたがっていた。彼女はとても幸せな子ども時代を過ごしたからだ。両親は働いていたけど、良い経験をした。

ジョージ王子はまだ小さな少年だ。ジョージ王子にしっかり接し、彼に期待されていることを理解させなければならない。ケイトは接着剤だと思う。彼女はとても重要だ。

ケイトが注目されることに国王が嫉妬しているという見方はナンセンスだ。国王は彼女が魅力的な女性であることを十分に理解している。(つづく)

インタビューの続きはこちら:ハリーとメーガンが海外訪問に積極的なのは「自己宣伝でしかない」「父や兄へのあてこすり」

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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