コラム

アマゾンついにリアル市場へ 日本での提携先を大胆予想 !

2017年06月19日(月)17時23分

ファミリーマートのグループにはスーパーのユニーもあるので、アマゾンとしてはコンビニとスーパーの両方のリソースを手にすることができる。スーパーの店舗数は210店舗なので規模的にもちょうどよい。

ローソンはかつて業界2位だったが、新生ファミリーマートの誕生で3位に転落している。打開策が必要な状況となっており、戦略提携に対するニーズは高いとみてよいだろう。ローソンは高級スーパーである成城石井も傘下に収めており、この部分についても米国とイメージが重なる。

ただファミリーマートとローソンは大株主がそれぞれ伊藤忠商事と三菱商事という総合商社であり、最終的には彼らの判断にかかっている。小売店と商社は時に利益相反を起こす関係であることを考えると微妙な状況だ。

小売店としては最大手となるイオンはコンビニに力を入れていない。日本におけるポジションとしてはウォルマートに近いので、ある意味ではアマゾンの最大のライバルといってもよい。一般的に考えれば提携はあり得ないが、日本は縮小市場であり、イオンはかなりの危機感を持っている。ウルトラCのシナリオが飛び出してくる可能性もゼロではないだろう。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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