コラム

グリーンランドを地上げするトランプ、その真意は?

2025年04月08日(火)17時20分

現地の世論調査でも、米国籍を望む者は8%にすぎず、45%はトランプこそ脅威だ、と思っている。経済的に自立はできない現地住民たちは、デンマーク政府に歳入の半分を仰ぎながら「自治」を続けるのが一番なのだ。アメリカに開発を委ねれば、利権の切れ端をもらうだけで、自分たちの生活基盤を奪われかねない。

ここは、グリーンランド、デンマーク、アメリカなどが話し合って、住民の生活、デンマークのメンツ、アメリカの安全保障と開発欲をうまくバランスさせていくのが一番。でなければ、アメリカは偉大どころか、世界で四面楚歌に陥るだろう。


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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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