米政権、シカゴのインフラ事業予算21億ドルを保留 民主党への圧力の一環か

米行政管理予算局（ＯＭＢ）のボート局長は３日、中西部イリノイ州シカゴのインフラ事業向けの２１億ドルの予算を保留したと発表した。写真は、米ホワイトハウスで７月撮影（２０２５年　ロイター/Al Drago）

［ワシントン　３日　ロイター］ - 米行政管理予算局（ＯＭＢ）のボート局長は３日、中西部イリノイ州シカゴのインフラ事業向けの２１億ドルの予算を保留したと発表した。与野党対立が解けず予算切れによって米政府機関が一部閉鎖となる中、野党・民主党への圧力を強める動きの一つとみられる。

ボート氏は、中小企業請負業者が不適切な多様性イニシアチブに関与していないかどうかを審査する運輸関連の新規則を理由として挙げた。１日発効したこの規則に沿って、シカゴの主要な地下鉄延伸などに充てられる資金について「人種に基づく契約によって資金が流出することを防止するため保留された」と述べた。

ボート氏は１日、東部のニューヨーク、ニュージャージー両州を結ぶハドソントンネルやニューヨーク市の２番街地下鉄といった交通整備事業予算１８０億ドルの支出凍結を発表していた。

ハリケーン被害を受けたハドソントンネルが機能不全に陥れば、大都市圏の通勤網の混乱は必至で、経済的な影響が出そうだ。

与野党間の対立によって予算支出が遅延することになれば、州側が法的手段に訴える公算が大きい。