バルト海ケーブル切断、フィンランドに法的管轄権なし 同国地裁が判断

10月3日、フィンランドの地方裁判所は、バルト海の海底送電・通信ケーブルを切断した罪に問われている石油タンカー「イーグルS」の船長と2人の乗組員について、フィンランドは起訴する管轄権を持たないとの判断を示した。ヘルシンキで1日撮影(2025年 ロイター/Lehtikuva/Antti Aimo-Koivisto)
Elviira Luoma
[ヘルシンキ 3日 ロイター] - フィンランドの地方裁判所は3日に、バルト海の海底送電・通信ケーブルを切断した罪に問われている石油タンカー「イーグルS」の船長と2人の乗組員について、フィンランドは起訴する管轄権を持たないとの判断を示した。
タンカーはクック諸島船籍で、ロシア産原油を積んでいた。フィンランド当局は昨年、フィンランド湾を航行中にフィンランド・エストニア間の海底ケーブルを切断したとしてジョージア人の船長、ジョージア人とインド人の乗組員を起訴した。
地裁は、国連海洋法条約では、犯罪を起訴する権限は船舶の旗国または被告の母国にあるとし、「本件をフィンランドの刑法を適用することはできない」と述べた。
裁判で被告は、船体に着けてあるはずのいかりが知らぬ間に海に落ちたと説明した。9月に結審した際、被告は渡航禁止が解除され、その後、フィンランドを離れた。