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米国防長官、緊急会議で軍幹部の肥満など批判 トランプ氏も同調

2025年10月01日(水)02時15分

ヘグセス米国防長官は30日、世界各地に配属されている米軍幹部を米東部バージニア州クアンティコに招集し、異例の会合を開いた。同日撮影(2025年 ロイター/Andrew Harnik/Pool via REUTERS)

Phil Stewart Idrees Ali

[ワシントン 30日 ロイター] - ヘグセス米国防長官は30日、世界各地に配属されている米軍幹部を米東部バージニア州クアンティコに招集し、異例の会合を開いた。一堂に会した軍幹部を前にヘグセス氏は、数十年にわたる軍の衰退を招いたとして「将官の肥満」や多様性推進の取り組みを激しく非難した。

開会に際し、ヘグセス氏は「愚かで無謀な政治指導者たちが間違った方向を示し、われわれは道を見失ってしまった。われわれは『ウォーク(社会的不公正に対する意識が高い)省』になってしまった」と主張。「しかし、もうそんなことはない」と述べた。

これまでに行った黒人や女性の米軍制服組トップの更迭を擁護し、自身が解任した将官たちは、崩壊した文化の一部だったと主張。さらに、「国防総省(ペンタゴン)で肥満の将軍や提督を見るのは全く容認できない」とし、「プロ意識に欠ける体形が許された時代は終わった。ひげを生やすような連中もいらない」と外見を問題視する持論も展開した。また、身体能力試験は男性のベンチマークのみに設定されるとした。

ヘグセス氏は、国防総省における差別に関する苦情の処理方法や、不正行為の告発の調査方法について抜本的な変更を行うと確約。「もし私が今日話している言葉に落胆しているのであれば、名誉ある行いとして辞任すべきだ」と述べた。

会合にはトランプ大統領も出席し、1時間以上にわたり演説。冒頭でトランプ氏は「私の言っていることが気に入らないなら、もちろん部屋から出て行ってもらって構わない。あなたの地位も将来も、それで終わる」と述べた。

その後は、軍について好意的な見方を述べ、米国の原子力潜水艦の能力などの問題に触れた一方、メディアやバイデン前大統領、ベネズエラを巡る激しい批判も展開した。

また、多様性の取り組みに反対するヘグセス氏に同意し、「実力だ。あなた方全員が実力に基づいている」とし、政治的な理由で地位を奪うようなことはしないと強調。「大統領として100%あなた方を支持する」と述べた。

ヘグセス長官は先週、バージニア州クアンティコ海兵隊基地に米軍幹部を招集する意向を明らかにした。開催理由は分かっていなかった。

ロイター
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