豪証取に「根本的改革」必要、豪中銀 昨年の決済障害で

9月24日、オーストラリア準備銀行(中央銀行)は昨年12月に取引決済システムの障害が発生したオーストラリア証券取引所(ASX)について、ガバナンス、企業文化、リスク管理で「根本的な改革」を行う必要があると指摘した。写真はASXのロゴ。シドニーの本部で8月撮影(2025年 ロイター/Hollie Adams)
Scott Murdoch
[シドニー 24日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は24日、昨年12月に取引決済システムの障害が発生したオーストラリア証券取引所(ASX)について、ガバナンス、企業文化、リスク管理で「根本的な改革」を行う必要があると指摘した。ASXの是正に向けた対応を注意深く監視し、改善が見られない場合は、さらなる規制措置を検討するとした。
ASXでは昨年12月、決済システムが障害を起こし、その日の取引の決済処理ができないというトラブルが起きた。
豪中銀のジョーンズ総裁補(金融システム担当)は「ASXは現在、重要な国家インフラを運営する機関として規制当局の期待に応えていない」と指摘した。
「強靭(きょうじん)で安全な清算・決済システムは豪金融システムの安定に不可欠だ」と述べ、ASXはリスク対応計画を改善し、清算・決済部門の事業継続性と緊急対応の見直しを行う必要があるとした。
ASXのヘレン・ロフトハウス最高経営責任者(CEO)は声明で、「ASXは、昨年の残念な事案を踏まえ、規制当局の信頼再構築の取り組みを加速させなければならないと痛感している」と述べた。障害を起こしたシステムについては、ソフトの修正やメモリ増設で回復力を高めたと説明した。
この問題でオーストラリア証券投資委員会(ASIC)は今年6月、ASXのガバナンスとリスク管理を調査する専門家パネルを設置した。