オーストラリアとパプアニューギニア、防衛で共同声明 条約調印は見送り

Kirsty Needham

[シドニー １７日 ロイター] - オーストラリアのアルバニージー首相は１７日、パプアニューギニアの首都ポートモレスビーで同国のマラペ首相と安全保障協議を行い、防衛に関する共同声明に調印した。相互防衛条約の調印を目指していたが、パプア側の事情で実現しなかった。

豪首相府が発表した声明によると、両国は相互防衛条約の文面について合意しており、両国の閣議手続きを経て正式に調印される予定。

マラペ氏は１４日の閣議の出席者が定足数に達しなかったため、条約承認の手続きを進められなかったと説明した。

マラペ氏は記者団に、両国が防衛面で協力するのは共通の利益と説明。「私はオーストラリアを安全保障のパートナーとして選択することを決断した」と述べ、パプアニューギニアは単独では国土や海洋を守ることができず、今回の合意は国益にかなうと強調した。

オーストラリアは、南太平洋の島しょ国と安全保障協定を締結することで、同地域での中国の影響力拡大を阻止しようとしている。中国はすでにソロモン諸島と安全保障協定を交わしている。

今月初め、オーストラリアはバヌアツと安全保障・開発協定を調印する予定だったが、バヌアツ連立政権の一部がさらなる精査を求めたため先送りになっている。

マラペ氏は、条約調印が見送られたことについて、中国の影響を否定。「彼ら（中国）はＰＮＧ（パプアニューギニア）政府の安全保障パートナーの選択を尊重している」と述べた。

アルバニージー氏は、条約はパプアニューギニアが要請したもので、将来調印されることを確信していると述べた。