米データセンター建設支出額、6月は過去最高を記録

米国内のデータセンター建設支出額が６月に季節調整済み年率で４００億ドルと過去最高を記録したことが、バンク・オブ・アメリカ・インスティテュートの報告書で明らかになった。写真は生成人工知能（ＡＩ）の文字とイメージ。２０２４年２月、ボスニアヘルツェゴビナのサラエボ市で撮影（２０２５年　ロイター/Dado Ruvic）

[１０日 ロイター] - 米国内のデータセンター建設支出額が６月に季節調整済み年率で４００億ドルと過去最高を記録したことが、バンク・オブ・アメリカ・インスティテュートの報告書で明らかになった。

米商務省国勢調査局のデータを引用した報告書によると、６月の支出規模は前年同月比３０％増加した。昨年は５０％増だった。

生成人工知能（ＡＩ）と機械学習のブームが膨大なコンピューターの処理能力の必要性を高め、マイクロソフトやアルファベット、アマゾン・ドット・コムといった巨大テック企業がインフラ整備に向けて数十億ドルを相次いで投資していることが背景にある。

多数のサーバーとデータセンターを展開するこうした「ハイパースケーラー」は、ＡＩの動作を支えるための事業拡大に多額の投資を行い、データセンター用半導体を供給するエヌビディアのような半導体企業にも恩恵が波及して、これらの企業の収入の大半を生み出している。

バンク・オブ・アメリカ・インスティテュートのエコノミストチームは報告書で「ハイパースケーラーは電力需要増加の大きな要因の１つだが、全部ではない。実際、２０３０年までに想定される米国の電力需要増加分の大半は、電気自動車（ＥＶ）や暖房、製造業のリショアリング、建物の電化などに起因する」と指摘した。