原油先物は反落、米ドライブシーズン終了や対インド関税が重し

28日アジア時間序盤の原油先物価格は反落している。写真は2月18日、米テキサス州ミッドランドで撮影(2025年 ロイター/Eli Hartman)
Sam Li Siyi Liu
[28日 ロイター] - 28日アジア時間序盤の原油先物価格は反落している。夏のドライブシーズンの終わりが近づいていることや、ロシア産原油を輸入するインドに対する米国の追加関税などが背景。
0027GMT(日本時間午前9時27分)時点で、北海ブレント先物は0.31ドル(0.46%)安の1バレル=67.74ドル。米WTI先物は0.36ドル(0.56%)安の63.79ドルだった。前日はともに1%超上昇していた。
米エネルギー情報局(EIA)が27日発表した22日までの1週間の米原油在庫は、ロイターがまとめたアナリスト予想の190万バレル減に対し240万バレル減となった。
9月初めの米レイバーデーの連休を控えて旺盛な需要が示されたが、IGのマーケットアナリスト、トニー・シカモア氏によると、この祝日は夏のドライブシーズンの終わりを意味し、米国内の需要は減少に転じる見込み。テクニカルチャートでは、64─65ドルの抵抗線に直面し、60ドル付近の支持線を試す可能性があるという。
一方、トランプ米政権は27日、インドからの輸入品に対する関税率を最大50%に引き上げる措置を予定通り発動。トレーダーはインドがロシア産原油購入停止への圧力にどう対応するか注目している。
シカモア氏は「インドは少なくとも短期的にはロシアから原油購入を継続すると予想され、新たな関税が世界の供給に与える影響は限定的になるはずだ」と述べた。
米国が近く利下げに踏み切るとの観測も、経済活動と石油需要を押し上げる可能性があることから市場を下支えしている。