プーチン氏に合意の用意とトランプ氏、3者会談「重要に」

8月14日、トランプ米大統領(写真)は、ロシアのプーチン大統領はウクライナ戦争を終結させる用意ができているとの見方を示した。8月11日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Annabelle Gordon)
Nandita Bose Dmitry Antonov Olena Harmash
[ワシントン/モスクワ/キーウ 14日 ロイター] - トランプ米大統領は14日、ロシアのプーチン大統領はウクライナ戦争を終結させる用意ができているとの見方を示した。ただ、和平には少なくとも、ウクライナのゼレンスキー大統領も交えた2回目の会談が必要になる可能性が高いとした。
「プーチン大統領は和平に合意するだろうし、ゼレンスキー大統領も合意するだろう」とし、「両氏がうまくやるかどうか見守ろう」とホワイトハウスで記者団に述べた。
より多くの首脳が参加する2回目の会談を開催する可能性にも言及。「(15日は)良い会談になると思うが、より重要なのは2回目の会談だ。プーチン大統領、ゼレンスキー大統領、私自身が会談する予定で、欧州の首脳も何人か参加するかもしれないが、それはまだ分からない」と述べた。
<プーチン氏「米は誠実な努力」>
プーチン氏はこれより先、主要閣僚・軍幹部を集めた会議で、米国は「戦闘を停止して危機を終わらせ、この紛争に関わる全ての当事者にとって有益な合意をまとめるために、かなり精力的かつ誠実に努力している」という見解を示した。
また、米との協議は「その後の段階で戦略的攻撃的軍備管理の分野で合意に達すれば、米ロ、欧州、世界全体の長期的な平和の条件を作る」ことを目指すことになるとした。
プーチン氏の発言は、米ロ首脳会談でロシア側が安全保障に関する幅広い議論の一環として核軍備管理の問題を提起することを示唆している。ロシア大統領府の側近は、プーチン氏とトランプ氏が米ロ経済関係の「未開拓の大きな可能性」についても協議すると述べた。
東欧の高官は、プーチン氏が会談で核軍備管理やビジネス関連の話題を持ちかけることでトランプ氏の注意をウクライナからそらそうとするだろうと指摘。「トランプ大統領がロシアに騙されないことを願っている」と述べた。また、ロシアの唯一の目的は新たな制裁を回避し、既存の制裁を解除させることだとした。
<合意は当事者次第>
トランプ氏は会談後に記者会見を開く予定だが、共同会見になるかどうかは不明だと述べた。FOXニュースとのインタビューでは、国境と領土の問題については「ギブアンドテイク」が必要だとも語った。
「(最初の)会談は2回目の会談への土台となるが、成功しない可能性も25%ある」と言及。合意が実現するかどうかはプーチン氏とゼレンスキー氏次第とし、「彼らの取引を私が交渉するつもりはない。彼らに交渉させるつもりだ」と強調した。
欧州首脳によると、トランプ氏は13日に行われたオンライン会合で、ウクライナに対する安全の保証に関与する意向を示したが、公には言及していない。
フランスのマクロン大統領によれば、トランプ氏は将来の攻撃からウクライナを守るためのいかなる安全の保証にも北大西洋条約機構(NATO)が関与すべきではないとしたが、米国や全ての有志国が同保証に参加すべきとも述べたという。
さらに、欧州当局者はロイターに対し、トランプ氏が欧州に何らかの安全の保証を提供する用意があると発言したと明かした。具体的には言及しなかったという。