米関税収入、25年通年「3000億ドル超え」も 財務長官が見通し

7月8日、ベセント米財務長官(写真)は閣議で、2025年に入ってからの輸入品への関税収入が約1000億ドルに達したとした上で、25年通年では「3000億ドルを大きく超える可能性がある」と明らかにした。写真は6月、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Nathan Howard)
Andrea Shalal David Lawder
[ワシントン 8日 ロイター] - ベセント米財務長官は8日の閣議で、2025年に入ってからの輸入品への関税収入が約1000億ドルに達したとした上で、25年通年では「3000億ドルを大きく超える可能性がある」と明らかにした。トランプ大統領による関税引き上げにより、関税収入が加速すると指摘した。
トランプ氏は輸入品に一律10%の基本関税を課した上で、鉄鋼・アルミニウムと自動車への25%の関税も25年第2・四半期に適用を始めた。
米議会予算局(CBO)は今後10年間の関税収入が計約2兆8000億ドルになると試算したが、ベセント氏は「この金額はおそらく実際より低いと思われる」との見解を示した。
財務省が発表した5月の関税収入は月間として過去最高の228億ドルとなり、前年同月(62億ドル)の4倍弱に膨らんだ。
これにより25会計年度(24年10月―25年9月)のうち24年10月―25年5月の8カ月間の関税収入は計約861億ドル、25年1―5月の5カ月間の関税収入は計約634億ドルとなった。
財務省は今月11日に6月の関税収入を公表する予定で、大幅に増加すると予想されている。財務省の日次会計報告書によると、24年10月―25年6月の関税と物品税の収入は計1220億ドルを超えている。
トランプ氏は、ほぼ全ての貿易相手国に対してより高い関税率を設定した「相互関税」の発動期限を8月1日に設定した。トランプ氏は「8月1日から大金が入るようになる。昨日と本日に出した書簡でそれが明らかになったと思う」と話した。
トランプ氏はこの閣議で、住宅から家電製品、自動車、送電網、軍事用ハードウエアまで幅広く使われている銅の輸入品に50%の関税を課すことも発表。半導体や医薬品への追加関税を課すことも表明した。