トランプ氏、ウクライナ停戦「進展なし」 プーチン氏と電話会談

ロシアのプーチン大統領は3日、トランプ米大統領と電話会談を行い、ロシアがウクライナを巡る目標を取り下げることはないと改めて表明すると同時に、交渉を通して紛争を解決することには依然として関心を持っていると伝えた。モスクワで同日撮影の提供写真(2025年 ロイター/Sputnik/Ramil Sitdikov/Pool via REUTERS)
[ワシントン 3日 ロイター] - トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領は3日、電話会談を行った。トランプ氏はウクライナ戦争終結に向けた取り組みに進展は全くなかったと述べた。一方、プーチン氏は紛争の「根本的原因」を取り除くというウクライナ侵攻の目的を取り下げることはないとの立場を改めて表明した。
トランプ氏はアイオワ州へ出発する前、ワシントン郊外の空軍基地で記者団に対し、プーチン氏とは「何の進展もなかった」と語った。
ロシアのウシャコフ大統領補佐官によると、 両首脳は米国によるウクライナに対する一部武器供給の停止を巡る問題については協議しなかった。プーチン氏はトランプ氏が掲げるロシア・ウクライナ戦争の早期終結に触れ、ロシアには交渉を継続する用意があると伝えた。同時に、ロシアはこの紛争の「根本的原因」を取り除くことに引き続き焦点を当てていると述べた。
両首脳の対面会談については協議しなかった。会談は約1時間におよび、イランや中東情勢についても詳細に協議。今後も話し合いを続けることで合意したという。
ウシャコフ氏は、ロシアは米国との対話を継続する用意があるが、和平交渉はロシアとウクライナの間で行われる必要があると述べた。ロシアは3国間形式の和平交渉を回避しようとしている兆候が見られる。ウクライナ当局者によると、ロシアは6月初旬にイスタンブールで3国間協議が行われた際、米外交官らに退室を求めたという。
ウクライナのゼレンスキー大統領はこの日、トランプ大統領と4日にもウクライナへの武器供給について協議する意向を示した。
トランプ氏は記者団に対し、武器供与を完全に停止したわけではないと述べた。同時に、バイデン前大統領が大量の武器を供与したことで米国の防衛力が弱まるリスクがあったと指摘。「バイデン氏が彼らに武器を供与して国中を空っぽにした。われわれは自国に十分な武器を確保しなければならない」と述べた。
ウクライナ当局によると、米ロ首脳電話会談から数時間後に、ウクライナの首都キーウ北部郊外で民間集合住宅がロシアによるドローン(小型無人機)攻撃を受け、火災が発生。キーウ市内では防空部隊がドローンを撃墜する爆発音が響いており、米ロ首脳による電話会談後もロシアによるウクライナへの攻撃は続いている。