カナダ、鉄鋼・アルミ輸入に新関税制度導入へ 米の追加関税に対抗

カナダのカーニー首相は19日、鉄鋼・アルミニウムの世界的な過剰生産能力と不公正な貿易に伴うリスクに対処するため、関税措置を近く導入する方針であると記者団に明らかにした。6日撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
[オタワ 19日 ロイター] - カナダのカーニー首相は19日、鉄鋼・アルミニウムの世界的な過剰生産能力と不公正な貿易に伴うリスクに対処するため、関税措置を近く導入する方針であると記者団に明らかにした。
トランプ米大統領は今月3日、米国が輸入する鉄鋼・アルミニウム製品にかける追加関税を2倍の50%に引き上げる計画を表明。同措置は、米国への最大の鉄鋼・アルミ輸出国であるカナダにとって打撃となる可能性がある。
カーニー首相は、関税が市場を不安定化させているとした上で、カナダは「国内市場を安定させ、有害な貿易転換を防ぐため」、自由貿易協定(FTA)を締結していない国からの鉄鋼製品の輸入に対し、2024年の輸入量を基準とした新たな関税割当制度(TRQ)を設けると表明。さらに、来月21日に米国製の鉄鋼・アルミ製品に対する既存の報復関税率を、交渉での進展に見合った水準に調整するとした。ただ、詳細は明らかにしていない。