欧米は経済摩擦より欧州の防衛責任強化に注力を=EU大統領

欧州連合(EU)のコスタ大統領(写真)は15日、欧州と米国は貿易摩擦により経済的な不確実性を招くのではなく、EUが自らの防衛により大きな責任を果たす方法に焦点を当てるべきとの見解を示した。写真は5月、北マケドニアのスコピエで撮影(2025年 ロイター/Ognen Teofilovski)
カナナスキス(加アルバータ州) 6月15日 ロイター) - 欧州連合(EU)のコスタ大統領は15日、欧州と米国は貿易摩擦により経済的な不確実性を招くのではなく、EUが自らの防衛により大きな責任を果たす方法に焦点を当てるべきとの見解を示した。
コスタ氏はカナダのアルバータ州で開催される主要7カ国(G7)首脳会議を前に、欧州委員会のフォンデアライエン委員長と共に記者団に対し、サミットでは同盟国や友好国との間の「いくつかの問題」について話し合う機会になると語った。
コスタ氏は、米国が中国に対抗するために外交政策の軸足を移しつつあることに触れ、「欧州と米国間の主要課題はまさに欧州防衛であり、これに注力すべきだ」と強調した。「そのため(欧州が)自らの防衛により大きな責任を果たす上で必要な経済力を損なうような他の課題を持ち込むことは避けるべきだ」と述べた。
フォンデアライエン氏は米国との貿易協議について、現在は詳細な点に焦点を当てているものの、合意の保証はないと述べた。
コスタ氏は「それのため今は経済に不確実性をもたらす適切な時期ではない。経済基盤を強化する必要があるため、貿易に問題を生じさせるべきではない」と語った。
フォンデアライエン氏は、G7は保護主義を避けなければならないと指摘。「これは市場や世界に向けて発信すべき重要なメッセージだ」と述べた。