NZ中銀、6会合連続の利下げ 利下げ幅拡大を予想

ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は28日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、3.25%とした。写真は中銀の建物。ウェリントンで2022年11月撮影(2025年 ロイター/Lucy Craymer)
[ウェリントン 28日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は28日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、3.25%とした。市場予想通りで、利下げは6会合連続。景気を下支えするほか、世界的な貿易摩擦の影響を和らげる。
中銀は今後の利下げについて、3カ月前の予測より利下げ幅がやや拡大するとの見通しを示した。
ロイター調査では、エコノミスト30人中29人が今回の利下げを予想していた。中銀は昨年8月以降、政策金利を225bp引き下げている。
中銀は「インフレは目標レンジ内にあり、委員会は中期的な物価安定を維持するため、国内外の動向に対応する態勢が整っている」と表明した。
中銀は政策金利が今年第4・四半期に2.92%、来年第1・四半期に2.85%になると予想。2月時点の予測をやや下回る水準となった。
ただ、今回の利下げには委員会メンバー5人のうち1人が据え置きを主張して反対票を投じた。
中銀は議事要旨で「今回の3.25%への利下げの根拠として、消費者物価指数(CPI)上昇率が目標範囲内にあり、経済にかなりの余剰能力があることが強調された」と表明。米関税を巡る不透明感など、国際経済の最近の動向により、内需と世界経済の成長が押し下げられるとの見通しを示した。
市場は、インフレ率の低下により年内に少なくともあと1回の利下げ余地があると予想。
インフレ率は2.5%で、目標レンジ(1─3%)内にあるが、中銀は第3・四半期には2.7%に上昇すると予想している。
市場では反対票が投じられたことを受けて、NZドルが0.5930米ドルから0.5957米ドルに上昇。2年物金利スワップは6bp上昇して3.1850%となった。
ASB銀行のチーフエコノミスト、ニック・タフリー氏は、投票結果をあまり重視しないとし「現実には、関税がどのような影響を与えるか不透明だ。特に関税がどこに落ち着くかは誰にも分からないためだ」と述べた。
中銀は「発表された米国の関税引き上げは、NZの輸出品に対する世界の需要、特にアジアの需要の減少につながり、国内経済の成長を圧迫するだろう。政策を巡る世界的な不確実性の高まりはNZの企業投資と消費に重くのしかかると予想される」と述べた。