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加工食品やワクチン過剰接種が子どもの健康損ねる恐れ=米MAHA報告書

2025年05月23日(金)08時36分

ケネディ米厚生長官が率いる「MAHA(Make America Healthy Again=米国を再び健康に)」委員会が22日報告書を公表し、米国の子どもが慢性疾患に悩むのは加工食品や化学物質、ストレス、薬の過剰投与とワクチンの過剰接種が原因の可能性があるとの見解を示した。写真は食品医薬品局(FDA)の会見で、「MAHA」と書かれた帽子をかぶる出席者。4月22日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Elizabeth Frantz)

[ワシントン 22日 ロイター] - ケネディ米厚生長官が率いる「MAHA(Make America Healthy Again=米国を再び健康に)」委員会が22日報告書を公表し、米国の子どもが慢性疾患に悩むのは加工食品や化学物質、ストレス、薬の過剰投与とワクチンの過剰接種が原因の可能性があるとの見解を示した。

ケネディ氏は、子どもたちの太り過ぎや糖尿病、がん、精神疾患、アレルギー、自閉症などが増えているのは国家的危機だと主張。報告書はこの問題に焦点が当てられている。

トランプ大統領は「厚生省が監督するわが国の公衆衛生を、業界が意のままにするのを決して許さない」と語り、MAHAの取り組みを賞賛した。

ケネディ氏によると、委員会のメンバー間では「超加工食品危機」に最優先で取り組み、子どもの食べ物を改善する努力をしていくとの点で合意が得られたという。

報告書は、人間や動物の体調不良と除草剤に因果関係を認めた複数の研究結果があると強調。ただ何らかの規制体系の変更や農業に利用される殺虫剤などの制限は求めていない。

また報告書は、長年ワクチンの効果に懐疑的だったケネディ氏の姿勢に沿う形で、米国のワクチン制度を批判し、欧州の子どもはより少ない接種機会を推奨されていると指摘した。

食品業界からは、加工食品の添加物は規制当局によって既に徹底的に検証されているし、店頭における品質の安定化に寄与しているといった反論や、報告書が非公開で作成され、殺虫剤や大豆油が健康に有害だという正確性を欠く意見を提示しているなどとの批判が出ている。

農業団体は、規制強化が進めば食料生産が打撃を受けかねないと警告した。

ロイター
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