スペインとポルトガル、EUに仏との電力連携推進を要請 停電受け

スペインとポルトガルは先月、イベリア半島で発生した大規模停電を受け、欧州連合(EU)にフランスとの電力網相互接続に向けたプロジェクトの推進を求める書簡を送付した。写真は欧州委員会のダン・ヨルゲンセン委員(エネルギー・住宅担当)。2024年3月撮影(2025年 ロイター/Ali Withers)
[ブリュッセル 21日 ロイター] - スペインとポルトガルは先月、イベリア半島で発生した大規模停電を受け、欧州連合(EU)にフランスとの電力網相互接続に向けたプロジェクトの推進を求める書簡を送付した。書簡の内容をロイターが確認した。
スペインとポルトガルは他の欧州諸国との電力網相互接続が限られており、両国はフランスが、イベリア半島での大規模停電を防ぐのに役立つ新規の電力網接続事業に反対していると主張している。
フランスとスペインを結ぶ既存の相互接続を強化するための工事は年内に、スペイン北部ビスケー湾を横断する新たな海底送電線は2028年までにそれぞれ完成する予定。
書簡は21日付で欧州委員会のダン・ヨルゲンセン委員(エネルギー・住宅担当)に宛てたもので、スペインとポルトガル両政府は新たな相互接続事業が確実に進むようEUに介入を求めている。書簡には両国のエネルギー相が署名しており、具体的な計画や措置を盛り込んだロードマップへの合意を目指し、年内にフランスと欧州委が出席する閣僚会合を開くよう提案している。
欧州委の報道官は、書簡を受け取り、各国政府と連絡を取っていると述べた。
フランス電力供給会社RTEは今年発表した複数年にわたる計画文書で、スペインとの間でピレーネ山脈を越える電力網相互接続を新たに2つ構築する事業について実現可能性を検討していると明らかにしている。