ニュース速報
ワールド

米厚生長官、ビデオ声明でWHO批判 他国にも脱退検討呼びかけ

2025年05月21日(水)02時58分

世界保健機関(WHO)がスイスのジュネーブで開いている年次総会で20日、会場にロバート・ケネディ・ジュニア米厚生長官がWHOを批判するビデオ声明が流された。14日撮影(2025年 ロイター/Leah Millis)

[ジュネーブ 20日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)がスイスのジュネーブで開いている年次総会で20日、会場にロバート・ケネディ・ジュニア米厚生長官がWHOを批判するビデオ声明が流された。ビデオ声明に対する明確な反応はすぐには見られず、出席した各国の閣僚や外交関係者の大半は沈黙を保った。

トランプ米大統領は2期目の就任直後、WHOからの脱退を表明。トランプ氏はWHOが新型コロナウイルスを巡って対応を誤り、中国寄りだと非難している。

ケネディ氏は、ワクチンの安全性や有効性について疑念を投げかけるワクチン懐疑派として知られる。ビデオ声明ではWHOについて「官僚主義が肥大化しているほか、既成概念に固着している。利害の対立や国際的な権力闘争に陥っている」と批判。「米国の脱退を警鐘と受け止めるべきだ」とした上で、「同じような考えを持つ国々と連絡を取っており、他国も米国に続くよう検討を呼びかけている」と述べた。

ケネディ氏は「瀕死のWHOの限界に苦しむ必要はない。効率的で透明性と説明責任を果たす新たな機関を創設するか、既存の機関を見直すべきだ」とも訴えた。

最大拠出国だった米国の動きを受け、WHOは大幅な予算不足に陥っており、総会では対応策の検討が主要議題に位置付けられている。また、20日はケネディ氏のビデオ声明に先立ち、感染症対策を強化する新たな国際条約「パンデミック条約」を採択した。ケネディ氏は、この条約に関して「WHOのパンデミック対応のあらゆる機能不全を固定化する」と主張した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=反落、ダウ114ドル安 米国債利回り

ワールド

再送-インタビュー:USスチール、完全買収の考え全

ワールド

トランプ氏、ゴールデン・ドームの詳細発表 費用は約

ワールド

トランプ氏支持率42%に低下、経済不安が影響=ロイ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:関税の歴史学
特集:関税の歴史学
2025年5月27日号(5/20発売)

アメリカ史が語る「関税と恐慌」の連鎖反応。歴史の教訓にトランプと世界が学ぶとき

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到した理由とは?
  • 3
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国は?
  • 4
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 5
    「空腹」こそが「未来の医療」になる時代へ...「ファ…
  • 6
    【裏切りの結婚式前夜】ハワイにひとりで飛んだ花嫁.…
  • 7
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 8
    小売最大手ウォルマートの「関税値上げ」表明にトラ…
  • 9
    人間に近い汎用人工知能(AGI)で中国は米国を既に抜…
  • 10
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 5
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 6
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国…
  • 8
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 9
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 10
    サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサー…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 10
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中