最新記事
イーロン・マスク

ルーマニア大統領選で中道・親EU派が勝利...マスクはヨーロッパへの内政干渉で何を得たのか

Europe's 'MEGA' Stutter: Far-Right Bid for Power Falters Despite Gains

2025年5月20日(火)20時35分
ブレンダン・コール
欧州各地の極右勢力支持を表明していたマスクは、EUからのカウンターパンチを食らった

欧州各地の極右勢力支持を表明していたマスクは、EUからのカウンターパンチを食らった Charles-McClintock Wilson-shutterstock

<マスクはヨーロッパ各国の極右支持を表明していたが、今ではEUの調査対象に>

イーロン・マスクは今年1月、トランプのスローガンをもじり、X(旧ツイッター)「MAGA(Make America Great Again、アメリカを再び偉大に)からMEGA(Make Europe Great Again、ヨーロッパを再び偉大に)へ」と投稿。 ドイツの連邦選挙では極右政党とされているAfD(ドイツのための選択肢)を支持するなど、ヨーロッパの極右政党を支持する姿勢を示していた。

しかし、マスクの支持表明も虚しく、ルーマニアで行われた大統領選では中道派候補が極右勢力を破った。ブカレスト市長で中道かつ親EU派の候補者ニクソル・ダンが、極右政党ルーマニア人統一同盟のジョルジェ・シミオンを破り、勝利したのだ。ロイターによると、得票率はダンが54%、シミオンが46%だった。

マスクの支持で勢いづいたと思われていたヨーロッパの極右勢力の現状はどうなっているのだろうか。


5月4日に行われた第1回大統領選挙では、シミオンが勝利しており、このままシミオンが勝利すればヨーロッパ全体に右派の波が広がるのではと懸念が高まっていた。

事実、シミオンはトランプ米大統領に触発された路線を掲げていた。トランプにあやかるために共和党のCPAC(保守政治行動会議)に登壇していた他、ヨーロッパの極右を支持していたマスクにも支援を求めていた。

しかし、中道のダンが勝利したことにより、ルーマニアは再び中道へ回帰することとなった。

試写会
『おばあちゃんと僕の約束』トークイベント付き特別試写会 5組10名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英、イスラエルとの貿易交渉一時停止 ガザ攻撃巡り大

ワールド

EUと英国、ロシアに停戦圧力 「影の船団」標的に追

ワールド

石破首相、江藤農水相を更迭する方向で調整=報道

ビジネス

米関税政策、世界金融システム・経済成長にリスク=ス
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:関税の歴史学
特集:関税の歴史学
2025年5月27日号(5/20発売)

アメリカ史が語る「関税と恐慌」の連鎖反応。歴史の教訓にトランプと世界が学ぶとき

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到した理由とは?
  • 3
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国は?
  • 4
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 5
    【裏切りの結婚式前夜】ハワイにひとりで飛んだ花嫁.…
  • 6
    「空腹」こそが「未来の医療」になる時代へ...「ファ…
  • 7
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 8
    小売最大手ウォルマートの「関税値上げ」表明にトラ…
  • 9
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 10
    トランプは日本を簡単な交渉相手だと思っているが...…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 5
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 6
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国…
  • 8
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 9
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 10
    サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサー…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 10
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中