NATO事務総長、2032年までの防衛費引き上げを提案=蘭首相

5月9日、オランダのスホーフ首相は、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長(写真)がこのほど、防衛費の対国内総生産(GDP)比率を2032年までに引き上げることを提案したと明らかにした。ブリュッセルで撮影(2025年 ロイター/Piroschka van de Wouw)
[9日 ロイター] - オランダのスホーフ首相は9日、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長がこのほど、防衛費の対国内総生産(GDP)比率を2032年までに引き上げることを提案したと明らかにした。
ロイターは先週、ルッテ氏が加盟国に対し、防衛費をGDPの3.5%に引き上げ、さらに1.5%をインフラなど広義の安全保障関連費用に充てることを提案したと報じた。トランプ米大統領が求める5%への負担増に応えるための提案。
スホーフ氏は、ルッテ氏がこうした提案内容を全加盟国に書簡で送ったことを確認。書簡には、2032年までに新たな目標値を達成したいとの意向が示されていたと説明した。
NATOの防衛費の目標は現在、GDPの2%。NATOはオランダのハーグで6月24─25日に開く首脳会議で新たな目標の合意を目指している。
NATO本部はスホーフ氏の発言に関するコメント要請に返答していない。
スホーフ氏は、オランダ政府はルッテ氏の提案への対応を決めるため協議を続けると説明した。他のNATO加盟国も提案について検討しており、各国とも議会との協議が必要になると言い添えた。