中国の1─4月鉄鋼輸出は過去最高、関税見越した前倒し注文続く

5月9日、中国税関総署が発表した4月の鉄鋼輸出は1046万トンと、3月に続いて1000万トンを超え、1─4月の総輸出量は過去最高を記録した。米国による高関税を見越した前倒し注文が続いたことが要因。上海市宝山区で3月撮影(2025年 ロイター/チャイナ・デイリー)
Amy Lv Lewis Jackson
[北京 9日 ロイター] - 中国税関総署が9日発表した4月の鉄鋼輸出は1046万トンと、3月に続いて1000万トンを超え、1─4月の総輸出量は過去最高を記録した。米国による高関税を見越した前倒し注文が続いたことが要因。
4月の鉄鋼輸出は前年同月比で13.5%増加した。
1─4月では前年同期比8.2%増の3789万トンと過去最高だった。
コンサルタント会社ホライゾン・インサイツのアナリスト、Jiang Mengtian氏は「4月の鉄鋼輸出は引き続き前倒し注文に支えられ、前年比プラスを維持している」と指摘。関税と貿易保護主義の拡大が影響し始め、5月の輸出は鈍化すると予想した。
中国は世界最大の鉄鋼生産・輸出国。
アナリストや取引業者は第2・四半期の輸出が第1・四半期から最大20%減少し、年末にかけてさらに落ち込むと予想している。
鉄鋼輸出は、米国の追加関税、韓国やベトナムによる中国製品の迂回貿易取り締まりというダブルパンチを受けている。
一方、中国の4月の鉄鉱石輸入は前月比9.8%増加し、昨年12月以来の高水準となった。3月は20カ月ぶりの低水準だった。
1─4月の鉄鉱石輸入は前年同期比5.5%減少した。