ウクライナ議会、米との鉱物資源協定を全会一致で批准

5月8日、ウクライナ議会は同国と米国が先月末に署名した鉱物資源協定を巡る採決を行い、全会一致で批准を支持した。同議会で撮影(2025年 ロイター/Andrii Nesterenko)
[キーウ 8日 ロイター] - ウクライナ議会は8日、同国と米国が先月末に署名した鉱物資源協定を巡る採決を行い、全会一致で批准を支持した。
一部議員の間では、政府が協定の詳細や米国に対する譲歩を全面開示していないのではないか、との不信感も持ち上がっていたが、採決では338人が批准に賛成し、反対票はゼロだった。
詳しい情報が不十分だとの懸念があるのは、ウクライナ復興に向けた投資基金の統治方法や、基金への資金拠出の仕組みなど。スビリデンコ第1副首相は8日朝に記者会見を実施し、基金は数週間中に稼働する予定で、その成否は米国側の関与度合い次第だと述べた。
鉱物資源協定は、新たなウクライナの鉱物資源開発契約で米国に優先権を与えるとともに、戦争終結後10年間のウクライナ復興に使える投資基金を設立する内容。ウクライナは、協定批准により米国からの将来の軍事支援が確保され、ロシアとの停戦交渉において自国の立場が強くなると期待している。