メキシコ、第1四半期GDPは前期比0.2%増 予想上回る
[30日 ロイター] - メキシコ国家統計地理情報局(INEGI)が4月30日に発表した2025年第1・四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.2%増えた。ロイターがまとめた市場予想が、横ばいになると見込んでいたのを上回った。農業と漁業、鉱業を含む第一次産業が8.1%伸びたことが全体を押し上げた。
ただ、トランプ米大統領が輸入関税を引き上げるとけん制していることを背景に、アナリストはメキシコ経済が前途多難になると警告を続けている。24年第4・四半期のGDPは0.6%減っていた。
パンテオン・マクロエコノミクスの中南米担当チーフエコノミスト、アンドレス・アバディア氏は顧客向けのメモで「(GDPが)前四半期比でプラスになったことはメキシコ経済が(2四半期連続でマイナス成長になる)テクニカルリセッションを回避するのに役立ったが、弱い軌道が変わることはほとんどない」と表明。国内経済の不確実性の高まり、逼迫した金融情勢、米国との貿易戦争による継続的なリスクに言及した上で、先行指標は既に厳しい経済見通しを示していると指摘した。
25年第1・四半期に製造業の第二次産業は0.3%減り、サービス業は横ばいだった。
全体のGDPは前年同期比では0.8%増え、伸び率は市場予想の0.6%を上回った。
キャピタル・エコノミクスの新興市場エコノミスト、キンバリー・スペルフェクター氏は、今回の結果でメキシコ中央銀行は経済の健全性に対する懸念を高めるだろうとして「中銀は5月の金融政策会合で50ベーシスポイント(bp)の追加利下げを決める」と予想。政策金利の引き下げを決めた場合、3会合連続で利下げすることになる。